石川県で誘拐された女子小学生が誘拐、監禁され結束バンドで両手を固定されるも、自力でほどき助かったというニュースが少し前世間を賑わせました。子供を持つ親にとっては、恐怖を感じつつ、関心の高い問題ですよね。
そこで、子供の危機管理について大阪の警備会社に勤める方に「生活の中で、今一度見直してみて欲しいところ」について話して頂きました。
1.子供にしっかりと危険とわからせる
子供は、大人が想像する以上によくわかっていない生き物だということを大人が認識することが大事です。経験値がないわけですから、「わかってるだろう~」という、勝手な大人の認識はやめてください。一から細かく、時間をかけて子供がどれほど理解しているか、納得しているのかを確認しつつ、話を進めなくてはいけないのです。
時には話した内容を質問しながら、理解度を確認するぐらいのしつこさが明暗を分けます。さらに、曖昧な表現は避けてください。子供は「YES」「NO」で教えなくては、迷ったものは答えられずにいる間に全て「YES」になってしまうのです。
例えば、「知らない人について行ってはいけません」とよく教えると思うのですが、犯人が「お父さんの友達なの」なんて言われれば、もう犯人の思うつぼ。言葉巧みに子供を連れ去ってしまいます。「お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん以外はついて行ってはダメ」などと、きちんと具体的な説明をしてあげて下さい。
2.近づく相手と距離をとる
よく「車に乗せられ連れ去られる」という誘拐方法を耳にしますが、子供は身長も低く軽いため、成人男性であれば、軽々一人で持ち上げ車に連れ込むことが可能なんです。しかし、連れ去られる状況を作らなければ、逃げるチャンスが高まります。では、連れ去られにくい状況とは?
障害物を挟む
ガードレールや鉄柱、自転車など、声をかけられるときに、犯人との間に障害物ができる道を選ぶといいでしょう。物が邪魔をするとなると、子供を捕まえるために犯人も車から離れなくてはいけません。連れ込む前にひと動作入るため、犯人が障害物を乗り越えてくる間に、子供は逃げるタイミングをつかむことが出来るのです。
距離をとる
とにかく知らない人に近づかない。知らない人とは手が届かないぐらいの距離を保つことを、子供に教えてください。「道を教えてくれ」と、地図を手に近づく大人に純粋な子供は心を許しがちです。ですから、見知らぬ大人が近づくことに違和感を感じるように教えてください。さらに、大人が腕を伸ばした時に届かない距離を体感させることも大事なことですので、実際に子供に大人が腕を伸ばした距離を確認させてください。
名前や住所は見えない場所に
「持ち物には名前を書きなさい」「名札を付けなさい」と、昔はよく言ったものですが、現代は少し勝手が違います。勿論、物には名前を書きますし、名札を付けるという行為は変わりませんが、今は、学校の外を意識した形となっているのです。
例えば、名札は、学校以外の場所では外す。持ち物に名前を書く場所は、パッと見られてわからないところなど、知らない人に子供の情報を与えないようにしているのです。
昔の映画や資料などを見ると、子供は世の中の大人みんなで見守りましょう。なんて風潮があったようですが、いつの日からなのか、「子供にとって大人は危険な存在」という認識が広がったのでしょうか? 本来、大人は子供を傷つけるものではなく、傷つける者から守る役割だとされていたのに…。
もう一度、大人のあるべき姿を世間が促すべきでしょうね。