笑いとエロが正論よりも共感できる場合がある。『SPA!』金泉編集長インタビュー

2016/09/21
マガジンサミット編集部

WEB版『日刊SPA!』と『女子SPA!』も絶好調。出版不況といわれるなか、WEB媒体という新メディアの登場によって、改めて価値と評価を高めている雑誌『週刊SPA!』。そんなSPA!の企画やネタのつくり方について金泉俊輔編集長にインタビューしました。

 

 

まずは今年6月から週刊SPA!で新連載を始めた “NEWS”の加藤シゲアキさんと、数々の時代を代表するコトバや作品を産んできた、伝統の“連載企画枠”についてお話を伺いました。

 

 

―― ジャニーズのアイドルがSPA!で連載するんだ!と、驚いた方も多かったようですが、連載開始のいきさつなど教えてください。

 

「以前から加藤さんの“渋谷サーガ3部作”を読ませていただいていて、力量のある作家だと思っていました。ただ、ジャニーズのアイドルという肩書が先行して“アイドルが書いた小説”くらいにしか思っていない人達も少なからずいて。そんな加藤さんに、サラリーマンの小説を書いてもらったら面白いんじゃないか!?というところから企画が始まりました」

 

 

「週刊SPA!では、無名の新人作家にお願いしたり、著名な方でも、今までに書いたことのないジャンルに挑戦してもらうことが多いです。ぼくが編集長になってからも、放送作家の鈴木おさむさんがテレビ番組の裏側を描いた小説『名刺ゲーム』や、都知事を辞めた猪瀬直樹さんの復帰作で、オリンピックと民間警備会社の関係を追う『民警』、プロレスを愛する樋口毅宏さんには『太陽がいっぱい』という初のプロレス小説に挑んでいただきました」

 

「加藤さんも文芸誌ではなく、週刊誌という締め切りと文字数が限られたなかで連載をしてみたい気持ちがあったようですし、自分のファンではない男性サラリーマン層に小説を読んでもらいたい、という気持ちもあるようで……それでいうと、若いファンの方には、今後、きわどいかも知れない性描写も出てくる小説になっています」

 

SPA! 2016-06-14 発売号 [連載]チュベローズで待ってる/加藤シゲアキ
Fujisan.co.jpより

 

―― 週刊SPA!の歴代連載企画は、著者の話題性以外にも、新しい造語やカルチャーを数々生み出してきた歴史がありますが、SNSなどの登場でコトバの変化を感じる部分はありますか?

 

「倉田真由美さんの『だめんず・うぉ〜か〜』あたりが端境期だと思っていますが、インターネット普及後とそれ以前では、造語の成り立ちが違っています。それ以前は、感度の高い人々が使っている言葉を雑誌が発信することで流行語となっていたのですが、普及後は、感度の高い人々が使っている言葉がインターネットに溢れるようになったのです」

 

「だからネットの中でバズり始めた流行や言葉をいち早くピックして、雑誌サイズに落とし込むことが増えてきました」

 

 

商店街と高級住宅地住はネタの宝庫!

―― SPA!の特集は斬新な切り口のものが多いのですが、どのようなときに企画は閃くのでしょうか?

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