今回インタビューさせていただいたのは投資歴10年のシバウラさん。シバウラさんは現在、高配当株と成長株を組み合わせた投資スタイルを確立しています。
現在の手法に至るまで、過去の失敗から学んで得た成功の鍵とは何か?
投資初心者が陥りがちな罠や、心がけておくべき投資の基本と成功の秘訣について、シバウラさんが自ら経験して獲得した貴重な気づきを語っていただきました。
ー こんにちは、シバウラさん。今日はシバウラさんの投資経験についてお伺いできることを楽しみにしています!まずは自己紹介をお願いします。
シバウラ: こんにちは、よろしくお願いします。シバウラと申します。年齢はアラフォーで、2013年後半から株式投資を始めて、現在10年目です。主に日本株の個別株投資をメインにしていますが、米国株も個別株とETFを保有していますし、少し仮想通貨も持っています。
ー シバウラさんの投資スタイルについて教えてください。
シバウラ: 2021年ぐらいまではグロース株のスイングトレードが多かったです。最近は日経銘柄のような大型株が強いこともあり、高配当株への興味が出てきて、長期投資も増えました。現在は、長期的に安定した投資で資産を減らさないように心掛けた上で、チャンスがあれば成長株への投資も行うようなスタイルです。
ー なるほど。現在の資産規模について教えていただけますか?
シバウラ: 具体的な金額は控えますが、億り人を目指しているぐらいの資産規模です。
ー 目標利回りはどのように設定していますか?
シバウラ: 特に意識はしていません。その年の相場環境でパフォーマンスは変わるためです。例えば、相場全体の地合いが悪い年で日経平均がマイナスな年だったら、トントンでOKとするような考えです。
ー なるほど、では、シバウラさんが投資で最も重視していることはなんですか?
シバウラ:一番は 成長性ですね。例えば、グロース株に投資する場合は、業績の成長性を重視した投資を行います。一方、高配当株に投資する場合は、資産の安定性を考えてのことですが、今後の増配の可能性を重視して投資をするため、やはり業績の成長性を考えます。どちらにしてもその企業の成長性に期待して投資をするというのが私の考え方の基本です。
ー企業の成長性を重視しながら投資する、そんなシバウラさんが大事にしている投資哲学はどんなことですか?
シバウラ:「強いものに乗る」ということを心掛けています。
この考え方に従って、数年前まではグロース株をトレードの中心に据えていましたが、ここ数年はグロース株が弱いため、大型銘柄へ投資の軸足を移しています。当たり前のように聞こえるかもしれませんが、グロース銘柄への投資を得意としていた人は、なかなかグロースから抜け出せないというパターンもSNSなどを見ていると結構ありそうです。
ー得意な手法を控えてでも今強くなっているジャンルを取りに行くという考えですね。
シバウラ:地合いなどについても同じ考え方です。
最近の日本株のように全体的に上がり相場で地合いが強いときには、資産を増やすチャンスなので、多めに投資します。一方で、地合いが不安定で相場全体が弱いときは、無理せず投資を控えるようにしています。
株は、勝てるときに投資をして資産を増やし、相場が弱く勝てないときには無理をせず、資金を減らさないことを考えるのが大事だと思います。
ー 投資に影響を与えた人物や書籍はありますか?
シバウラ: 「テスタさん」の影響が大きいです。テスタさんの考え方は非常に共感できるところが多く、例えば期待値を追うことや、ギャンブル要素を減らすこと、損切りの大事さなど、色々なことが参考になります。
ーテスタさんの発信は参考になる点が多いですよね。書籍ではどんな本から影響を受けましたか?
シバウラ: 本では、cis本と言われている「一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学」と、DUKE。さんの「1勝4敗でもしっかり儲ける新高値ブレイク投資術」が印象に残っています。また、高配当投資に関しては、配当太郎さんの「年間100万円の配当金が入ってくる最高の株式投資」が参考になりました。
私は投資で「本当に実績のある人の話」を聞くことが大切だと思っています。今は書籍やSNSなど、様々な人が情報発信をしていますよね。その人たちの中から投資の手法や考え方などを参考にする場合は、その人がきちんと実績を出している人なのかどうか、そこを重視して選ぶようにしています。
ー 実績の裏打ちがあってこそ、その人からの発信に価値がある、ということですね…参考にする人の実績をきちんと見極めてから参考にしなければいけませんね!ありがとうございます。
では次に、投資を始めたきっかけを教えてください。
シバウラ: 実は何をきっかけに証券口座を開設したのか覚えていないんです(笑)。おそらく株で儲けている話などをインターネットで見て、「株でもやってみるか」と始めたという、その程度のきっかけだったと思います。
ーきっかけは些細なことからだったのですね。最初に投資した銘柄は何だったんでしょうか?
シバウラ: 一番初めに買った株はNTTドコモです。当時ドコモからやっとiPhoneの取り扱いが始まるということが噂されており、発表される前にドコモの株を買っておけば上がるのではないかと考えたからです。
ーiPhone取り扱い前のNTTドコモということは、その後株価もかなり上がったのではないですか?
シバウラ: いえ、それほどでもなくて…(笑)少しだけ株価が上昇して利確できたような記憶があるくらいです。思ったより株価は上がらなかったというのがその時の感想でした。
ーこれからiPhoneの取り扱いを始めるというのに、上がらなかったんですね!意外です。
シバウラ: 今思えば、ある程度の出し尽くしというか、そもそもドコモからiPhoneが出ることはほとんど既知の事実だったので、正式に発表されたところでサプライズでもなかったってことでしょう。正式に発表される直前に株を買っていても、それよりも前に株価は上がってしまっていたということです。
ー購入タイミングが少し遅かったということですね。
シバウラ: はい。この時に、株価というものは事実よりも先行して動くことを学びました。
このことからもわかるように、株は、経験でしか学べない部分があります。どういうことが起きるとどう株価が動くかということは、いくら本を読んでも誰かに教わっても、経験をしないと理解するのが難しいです。私はまず始めてみて、この時のNTTドコモの経験からさっそく気づきを得ることができました。
ー 投資を始めることを決めたら、とにかく少額でいいからスタートし、経験を積んで気づきを得るのが大事ということですね。
シバウラ: 株を始める前に勉強をしてから始めるのも良いのですが、ある程度早めに少額で始めるのが良いと思います。
ーありがとうございます。ではシバウラさんが初めての成功した体験というのはどんな感じだったか、教えていただけますか?
シバウラ: 初めて成功したと言えるのは、ゲーム株への投資です。ドコモの取引から、次に投資したのがmixiでした。
ーゲーム株とは、かなり冒険的ですね!
シバウラ:はい。当時モンストがブームらしいということでmixiを買ったのですが、少し株価が上昇したときに売ってしまいました。
ーそれではトレード大成功、ということになりますね。おめでとうございます!
シバウラ:ところが、そのあとmixiはテンバガーを達成することになったんです。それでとても悔しい思いをしました(笑)。「スマホゲームがヒットすると、こんなに株価が上がるんだ」ということを体験したこともあって、その後は他のゲーム株を調べるようになり、ゲーム株が盛り上がっていた当時、次のガンホーやmixiを探す市場の動きに乗りました。
ーなるほど。大型株では味わえないような、スケールの大きな値動きですね。
シバウラ:それから数年間は、ゲーム会社が開示する情報を追いかけることに力を費やしました。先回りのイベント取りのような手法で、ゲームの事前登録や配信前に株を買い続けました。当時はこのやり方がすごく流行っていたんです。今もゲーム株では多少そのような動きは残っていますが、当時のような盛り上がりはもう無いですね。
初めて成功を収めた銘柄が何だったかはっきり思い出せませんが、おそらく「アクセルマーク」か「enish」だったのではないかと思います。
ー当時のちょうど良い流れに乗っていた感じですね。成功することができた秘訣はどんなことだと思われますか?
シバウラ:私は情報をまとめることが好きで、割と得意な方だと思っています。今も高配当株の情報について調べ、まとめたことをXで発信をしていますが、当時も同じでした。
ゲーム株をメインで取引していたときは、各会社のスマホゲームを発表する情報などをまとめて整理して、いつ事前登録がありそうか、いつ配信されそうかなどを整理しまとめていました。
その情報に基づいて、買うタイミングや売るタイミングなどを決めていました。
ー情報を蓄積しておけば売買タイミングを決定することが可能なんですね。私はいつ売ったら良いかわからなくてタイミングを逃してしまうことがよくあります。
シバウラ:売るタイミングがとても重要だと考えています。
例えば、ゲーム株ではゲームが配信されたあとは、思ったようにセールスランキングが伸びずに株価が下落する可能性の方が高いです。だから手堅いパターンとして考えたことは、配信よりも1ヶ月ぐらい前に買っておいて、配信直前に売るという手法でした。そして実際にこの手法は成功確率が高かったです。
このようにゲーム株の株価の動くパターンを理解した上で、必要な情報収集を行い、パターンに当てはめてトレードするという手法をとっていました。
ー お話を伺うと、ゲーム株の投資はそれほど難しくないような気がしてしまいますが、こうした成功だけでなく、大変なこともきっとご経験されたのでしょうね。シバウラさんがこれまで投資活動で直面した最大の障壁と、それを克服した方法はどんなことだったのか、よろしければお聞かせいただけますか?
シバウラ:以前は数年に渡ってゲーム株の取引をメインにやっていましたが、その期間も全てがゲーム株ではなく、主にマザーズの銘柄を中心に、他の銘柄にも投資はしていました。当時は個人投資家と言えばマザーズの個別株に投資をするのが一般的だと思っていたんですよね。
ーわかります!中小型株の成長株投資には夢がありますよね。
シバウラ:はい、だからもちろん今も高配当株などの大型銘柄の他にも、中小型株に投資することは継続しています。
中小型株で今まで経験した手痛い経験としては、1つ目は「サンバイオ」です。新薬の臨床試験に失敗し、連続ストップ安が発生しました。私はほぼ天井で買ってしまい、連続ストップ安に巻き込まれてかなりの損失を出しました。
ー天井で購入…連日ストップ安…かなりのダメージだったでしょうね。
シバウラ:サンバイオは、株価がただ上がっているのが魅力的で買ってしまったんです。その結果、かなりの高値圏で買ってしまい、おそらく天井で掴んでしまったんでしょうね。失敗しました。特に根拠もないのに買ってはいけないということも気をつけないといけません。反省しています。
あとは、個人的にですがバイオ株はもう基本的に触らないようにしています。
ーバイオ株は難しいと言いますよね。私も経験があります(泣)。バイオ株は初心者向けではないかもしれませんね。
シバウラ:2つ目は「某仮想通貨取引所」です。こちらは自分なりに根拠があって、決算の数字も計算したり、何となく買ったわけではなかったんです。それでもやはり含み損が膨らむと、精神的に損切りが難しくなります。
決算の数字を信じてホールドを続けましたが、下方修正が発表され、株価が下落しました。
ーご自身の感覚と、株価との間に乖離が生じていたのですね。
シバウラ:はい。根拠があり、ストーリーが継続していたとしても株価は下落することがあります。信じてホールドしていても自分の感覚だと-20%を超えると、損切りすることが苦しくなる傾向があります。なので反省としては、例え信じたストーリーが続いていたとしても、ある程度のところで一度損切りしてリセットした方が良いと思いました。
ー塩漬けされることを防ぐためにも、一定ラインを決めて損切りも必要ということですね。
シバウラ:下落が収まるまでは様子見をして、上がり始めたらまた買えばいいのです。そして特に、資金に対して多めに投資をしている場合は尚更ですね。
これらの結構な損失を出しつつも、反省をして投資を続けていれば長い目で見て資産は増やせているので、克服できたと言ってよいのではないかと思います。
これらの失敗から、根拠のない投資はしないこと、高値づかみを避けること、損切りを早くすることを学びました。
ー ありがとうございます。最近の暴落ではコロナショックがあったかと思いますが、その時どのような対処をしたかについても聞かせていただけますか?
シバウラ: コロナショック時では早めに危険を察知してポジションを減らしました。アメリカにウイルスが上陸する前にポジションを引き上げて、下落が始まると空売りも行い、ダメージを少なくすることに成功しました。その後のリバウンド局面でしっかり投資し、利益を出すことができました。
ー素晴らしいです!先を読んでストーリーを膨らませたということですね。
シバウラ: 資金をあまり減らさなかったことが良かったのだと思います。コロナショック後のリバウンドの局面でしっかり投資することができて、利益を出すことにつながりました。今でも割とそうですが、リスクがありそうな局面ではポジションを減らしたり、資金を減らさないことを意識しています。
ー手持ち資金を減らさないこと、大事ですね。
シバウラ: 決算跨ぎなども規模は小さいですが似たようなもので、既に期待で株価が上がっていたり、判断が難しい局面の決算は跨がないようにすることも多いです。
特に今年の2月のエヌビディアの決算などは注目が集まりすぎていて、日本株の半導体銘柄を結構持っていたのですが、ほとんど売ってリスクを回避しました。
半導体銘柄がかなり上がっていたので、もしエヌビディアの決算がイマイチだった場合には、かなり下落するのではないかと思ったからです。
その結果、何も起きずに株が上がってしまうケースもありますが、資金が減っていないのでそれで良しとするように考えています。
とにかく大きく資金を減らさない、これが勝ちにつながる考え方だと改めて思います。
ー 長期的な成功のために実践していることはありますか?
シバウラ: ギャンブル要素を減らし、集中投資を減らすことに気をつけています。けれども期待値が高いと思ったものに関しては、多めに投資することはしています。
ー初心者にとっては、集中投資するのか、バランスをとるのか、ポートフォリオの配分に迷いますね。
シバウラ:私は安定した高配当株投資も行いますが、一方で成長株投資など大きく資産を増やすチャンスは虎視眈々と狙っています。例えば現在だと、高配当株などで安定した長期的な投資を実践し、一方で、半導体銘柄などで大きく増やすチャンスを伺っています。
ーコアサテライト戦略ですね。
シバウラ:はい。あとは、繰り返しにもなりますが、買う銘柄について良く自分で調べること、高値で掴まないこと、損切りを早くすること、このあたりを実践していくことが大事だと思います。
ーありがとうございます。では、シバウラさんのこれまでの 投資活動で得た最も重要な教訓といえば何でしょうか?
シバウラ: 株を早く始めることです。私は株を始めて良かったと思います。ただ貯金しているだけの人と、投資をして運用している人とでは、10年経ったときの資産額に大きな差が出ています。
ー 確かにそうですね。時間は個人投資家にとって心強い味方になりますよね。私も早く始めれば良かったといつも後悔してしまいます…。
そんな私を含め、初心者の皆さんに向けてシバウラさんからアドバイスをお願いします!
シバウラ: 株についての勉強も必要ですが、やはり早く実践することが大事です。少額で実践して経験しながら株のノウハウを理解するのが良いです。また、自分で考えて投資することが重要です。SNSなどでおすすめされている銘柄を鵜呑みにせず、自分で考えられるようになることが大切です。
SNSなどで勝っていると思われる人がおすすめしている銘柄を買うということ、これは絶対やってはダメです。自分で考えて投資できるようにならなければ再現性がある投資ができませんし、人の話を鵜呑みにしてしまうと最悪は詐欺などに合う可能性だってあります。
SNSなどでおすすめ銘柄の情報を得たときは、それがなぜ良いと言われているか、自分がどのように考えるかなどを分析しながら投資をできるようになれると良いですよね。
株式投資には色々な手法があります。
✅個別株投資、なかでも成長株
✅個別株投資、高配当株のような長期的な投資
✅インデックス投資
大まかにはこのあたりに分かれるのではないかと思います。
どのような投資を選ぶかについては、株式投資にかけられる時間がどのくらいあるのかを判断材料にすると良いでしょう。
特に成長株のような個別株投資はスイングトレードになることが多いですが、常に良い銘柄を調べる時間を確保する必要があります。会社員だと株にかけられる時間は限られていますし、その時間を他の趣味の時間等に使ったほうが人生が充実する場合もあります。個別株を調べるのが楽しくて続けられる人でないと向いていないのかなと思います。
多くの時間はかけられないけれど銘柄を調べるのが楽しいという人の場合は、高配当株投資のような長期投資が向いているのではないでしょうか。
そして株に時間をかけたくないという人の場合は、インデックス投資など何も考えずにコツコツ積み立てられる投資が向いていると考えます。
ー自分が 株式投資にどれだけの時間と持てるリソースを割けるかによって、おすすめの投資手法が変わってくるということですね。とても参考になります。ありがとうございます。
では今後、シバウラさんが投資に関してどのような展望をお持ちかについて教えていただけますか。
シバウラ: まだ新NISA枠を使っていないので、高配当株の厳選をしていこうと思っています。また、つみたて投資枠についても考えています。個別株では、生成AIによる半導体ブームに乗るための投資を続けていきたいです。
やはり生成AIによる半導体ブームに乗る投資はまだまだこれからだと思っており、数年後の業績がしっかり伸びる企業の分析をしたいですね。
生成AIのように、働き方まで変えてしまうような変化はなかなか無いのではないかと思い、投資をする上では稀に見るチャンスのような気がします。今回のように半導体分野がほぼ確実に伸びるということが分かっている出来事は珍しいので、こういうときにその流れに乗るべきだと考えます。
ー 最後に、投資活動を通じて達成したい目標は何ですか?
シバウラ: 株式投資自体は楽しくやっていますが、人生の生活を豊かにしたいですね。お金に働いてもらって資産を増やすことで、自分の人生の時間を有意義に使いたいです。
また、自分の投資経験を投資初心者の方に向けて情報発信し、手助けしたいと考えています。株式投資の情報発信用にNoteを始めました。Xの発信に比べて、より詳細なまとめなどを作っていきたいと思っています。
更新は全然これからですが、まずプロフィールとして自分のやってきた投資経験についてを記載しています。今回のインタビューと内容が重複しているところもありますが、ご覧いただけると嬉しいです。
ー 本日はありがとうございました。シバウラさんの貴重な経験と洞察を共有していただき、非常に参考になりました。
シバウラさんは、X(旧Twitter)で積極的に情報発信を行っています。皆さんからの応援コメントもお待ちしております。
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— シバウラ@兼業投資家10年目 (@shibaura_kabu) May 26, 2024
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