【特典がヤバすぎる!!】シン・ゴジラ公開記念『コジラ全映画コレクターズBOX』がスゴイ

2016/07/12
放送作家 石橋アキ江

12年ぶりに制作された東宝『ゴジラ』シリーズ最新作、庵野秀明総監督による『シン・ゴジラ』が公開間近であり、この夏、我らがゴジラが再び日本を席巻する予感だ。

そんな『シン・ゴジラ』の公開を記念して、講談社より『ゴジラ全映画DVDコレクターズBOX』全51巻(予定)が創刊された。

 

今回の『ゴジラ全映画DVDコレクターズBOX』では、作品公開時の劇場パンフレットはもちろん、宣材用ポスターやチラシなどのコレクションが復刻版特典としてついてくる。

 

これは、かなり臨場感たっぷりのDVDBOXになるはず!詳細を講談社アミューズメント編集チームの富岡広樹氏に伺った。

絶句!ゴジラ級のスペシャル特典とは?

「じつはね、お見せしたいものがあるので…ちょっと待っていてください」そう言いながら、部屋を出てゆく富岡さん。何やら両手いっぱいに抱えて戻ってきた。

 

「公開当時の映画宣伝用の“3シートポスター”です。原寸大を復刻しました」

 

―― !?

 

慌ててその場にいた全員で受け取り机の上に広げると、その大きさ約、天地103㎝×左右220㎝ !

 

「全巻購入された方にさしあげるスペシャル特典のサンプルです。映画の宣材用ポスターで、野外看板などに使用されていたものを完全復刻しました」

キングコング対ゴジラ(1962年8月公開)の3シートポスター復刻版(サンプル)。3シートポスターのなかでもデザインが秀逸とマニアの間でも人気の一枚。

―― こ…これはすごい破壊力…でも3シートポスターってなんですか?

 

「ポスターをよく見てみて下さい。ここ、俳優さんの顔がズレているでしょう?これは1シート(B1)を3つ貼り合わせて作っているんです。当時は巨大なポスターを一枚で印刷する技術がなかったので、こういう形で作っていたんです。ちなみにゴジラシリーズには、未確認ですが日本映画最大の大きさといわれている“10シートポスター”というのがあります」

 

―— 10シート!?3シートポスターでこの迫力ですから、さぞや凄かったでしょうね

 

「じつは10シートポスターの復刻も検討しましたが、庭に広げて屋上から見下ろさないといけないスケールで(笑)普通には “見えない”んです。そこで、絵柄の豊富な3シートポスターを3種類セットにしました。この大きさならば屋内に貼って楽しんでいただけるでしょう?」

 

ポスターの字体が、統一されてないデザイン。こんな発見もあるから面白い。

 

出版社ならではの“こだわり部分”

 

「今回の『ゴジラ全映画DVDコレクターズBOX』では、開いた瞬間、昭和の映画館にタイムスリップしていただきたいと思いまして。そこで封入特典としてDVDに関係する復刻版「パンフレット」「半裁ポスター」「スピードポスター」「東宝プレスシート」「東宝写真ニュース」などをお付けしています」

 

―― 今回の復刻特典は、とても印刷にこだわっていると伺いました。

 

「ポスターやパンフレットは、復刻物によっては“5色印刷”を使用しています。特色印刷とも言われ普段使われている基本の4色に、プラス1色することで作られる印刷技法なのです。当時のポスターは、今では使われない紙や色が多くて、復刻するのに納得の色が出せず何度も刷り直しをしました」

 

―― だからですね!昭和のニオイを感じます。(雰囲気だけでなく、本当に“紙”と“インク”の独特の良い香りがします)

 

「講談社で発刊した週刊誌やコミック誌、幼年誌に掲載されたグラビア記事や付録冊子なども、できるかぎり収録したいと考えています。初回限定ですが、復刻版「怪獣絵物語ゴジラ(『ぼくら』昭和30年3月号付録)」というゴジラのコミカライズ作品などは、なかなか貴重だと思います」

―― 裏表紙の宣伝がそのまま載っていますね!これはたまらない!

 

「マンガの裏表紙に掲載されている、今はもうない旅館の広告もそのまま使うことにしました。広告については極力、当時のままを載せようと考えています。ただ、なかには残念ながら掲載NGのものもあり、その場合は、映画のプロップ(映画に登場する「ゴジラ上陸!」とかの劇中新聞)などの紹介を差し込もうと考えています」

 

―― 復刻版と聞いて楽しみにしていると、今っぽい感じにがっかりすることもあるのですが、特に気を使われたことはありますか?

 

「復刻と一口に言っても、いろいろと大変で(笑)。そもそも当時のキレイなものが残っていないんです。残っていたとしても古く変色しているなどで“まま”を再現するのが難しかったです。懐かしさを感じていただくと同時に、ちゃんと読めるものとして作りたかったのでね」

―― 紙質も、一般的な紙とは違うようですが?

 

「これまた、当時使っていた紙が今は残っていなくて。それに近い“わら半紙”のような薄くてざらざらとした紙を探しまわりました。スタッフは実際に子供のころ、初期の『ゴジラ』からシリーズを観ていた世代が多いため、むかし、肌で感じた感覚をフルに再現してもらいました」

 

―― 今回のコレクション以外、他では手に入らないものはありますか?

 

「次回作品の速報用に劇場に配布された縦長状の簡易ポスター(スピードポスター)や、プレスシートも当時のまま復刻しました。映画館で宣伝用に切って使うレタリングされたゴジラの文字や、ゴジラに関する挿絵などが珍しいですね」

 

編集中に感じたゴジラの魅力とは?

―― 『ゴジラ全映画DVDコレクターズBOX』の編集を通して、改めて感じられたゴジラの魅力はありますか?

 

「私は、昭和ゴジラ世代なので昭和ゴジラに愛着が強く、あらためて平成ゴジラ、ミレニアムゴジラを見直して、どれもよく考えて作られてることに感心しました。平成ゴジラ以後の監督は、みな昭和ゴジラで育った熱烈なファンであり、原風景の1954年の『ゴジラ』に自分が何を付け加えられるかを考えています。試行錯誤して、うまく1時間半に落とし込めた作品も、上手くゆかなった作品もあるかも知れませんが、単なる娯楽映画と気を抜いて作った作品は1本もないと感じます。そして、今、その先頭にいるのが庵野、樋口両監督でしょう」

 

―― ゴジラは、ゴジラ映画であって、もはや一つのジャンルだと考える人もいますよね。

この記事が気に入ったらいいね!しよう

放送作家 石橋アキ江
この記事を書いた人

放送作家 石橋アキ江

"テレビ番組、ラジオ番組の構成や脚本を執筆中。 中学校教員として十年以上の経験から、現場で悩みを抱える多くの人達に人生は楽しいものだと思ってもらえる作品を提供したいと日々模索中。参加作品「神秘に触れる夜」「ADVANCE EARTH」「携帯恋愛アプリMYNAME」など。"

放送作家 石橋アキ江が書いた記事

あなたへのおすすめ

カテゴリー記事一覧

pagetop