――もう早く猫の下僕になりたくて仕方ないのですが、それでもやはり実際に飼う事を考えると不安なことが色々あります。まず、臭いは気になったりしないでしょうか・・・?
「人にもよりますが、臭いはそんなに気にならないと思います。最近はトイレも猫砂がとても改良されていますし」
――いたずら…爪研ぎをされたり・・・家の中をぐっちゃぐちゃにされたりはしませんか?
「そうですね、爪とぎを置いていてもソファをガリガリ……なんて話は取材先でも聞きますが、店内にたくさんの商品が並ぶお店の看板猫の飼い主の方に「いたずらとかされます?」と聞くと、ほとんどの方が「ないよ」っていわれますね」
――やはり、部屋は広い方が良いのでしょうか?
「猫は上下運動が大事だと聞きます。だから、広さにこだわらず、室内にキャットタワーを用意したり、家具で高低差をつけてあげるといいかもしれませんね」
――猫様だから、家で仕事をしている時に甘えてきたり、キーボードに乗ってきたりされたら、かわいがっちゃって集中できなさそうという懸念もありまして…
「猫は寝ている時間が結構多いです。だから、その間に仕事に集中して、起きている時間の触れ合いを大切にしたらどうでしょう」
――私のように、猫を飼いたいけど一歩踏み出せない人にアドバイスはありますか。
「子猫もかわいくていいのですが、もし心配だったら“里親サイト”や保護猫カフェなどで、大人の猫を探してみてはいかがでしょう。大人の猫は、ある程度、性格もわかっているので、初めての人は飼いやすいかも。引き取った後も相談できるような団体やお店だとなおいいですね」
- ねこ
2016-04-12発売号(♯98)P80
【SAVE the CAT!】『ねこ』では、飼い主のいないねこ保護や、譲渡に取り組む全国各地のボランティアグループや保護団体・NPO団体などを紹介しています。
初心者は子猫からが良いのかと思い込んでいましたが、飼い始めは大人の猫も良いようです。大人の猫を飼うことで保護の点においても役に立てるのかもしれません。
―― ありがとうございます!最後に『ねこ』をどんな方に読んで欲しいですか?
「毎号、全国各地で暮らす猫やその周りの人たち、そして、その土地ならではのおいしいものやスポットをご紹介することで、まるで“ねこ旅”をしているような気分に浸ってもらいたいなぁと思っています」
「また、今後はインスタグラムと連動した企画やSNSの人気ねこなどもご紹介していきますので、さらに多くのねこ好きの方たちに喜んでいただけると思います。「ねこ」の読者は女性の方が多いのですが、20代から80代まで幅広い方たちに楽しんでもらえる雑誌なんです」
編集長のお話を聞いて、猫を愛しているのはもちろんのこと、ただの愛玩動物としてだけではなく、尊重し共に暮らしていくパートナーとして捉えているのだと感じました。だからこそ『ねこ』は、可愛らしさに寄せすぎないスタイリッシュでカッコイイ猫雑誌になっているのでしょう。
今回のインタビューを通して私の猫熱は最高潮に達し、猫を飼うことはほぼ決定です!あとは部屋探しやタイミング、そして気の合う猫との出会いでしょうか。
一つ、ペット可の物件には私の苦手な犬がいるかもしれません。“猫のみ可”という部屋を探さなければいけないという難題がありますが…根気強く探して、早く猫様の下僕になりたいと思います。
石倉編集長、お忙しい中、ありがとうございました!
石倉夏枝 いしくら なつえ
季刊誌『ねこ』編集長
住宅関連企業に従事し、2008年に趣味の出版社である株式会社ネコ・パブリッシングに入社。2013年に“ねことここちよく暮らす”をテーマとする季刊誌『ねこ』を担当する。
< 取材・文 / 放送作家 大石依里香 >