【12年経った今、あの時と同じこの場所で】スケートボードで東日本大震災を語り継ぐDon’t Forget Party2023

2023/03/13
放送作家 小嶋勝美

東日本大震災から今年で12年。

スケートボードを通して東日本大震災の記憶を語り継ぐプロスケーターがいる。

宮城県塩釜市出身のスケーター、阿部直央だ。

2011年3月11日、自身も仙台市宮城野区にある榴岡(つつじがおか)公園にいた時に震災を経験する。

その後、周りで被害を受けた友人達と関わるうちに、プロスケーターとして出来ることをやろうという思いと、昔の人が伝えようとした津波の恐ろしさを、世代を越えて伝え続けていきたいという願いを込めて、震災の翌年2012年からDon’t Forget Partyというイベントを毎年行っている。

参考:「千年続くように…」スケーター阿部直央の考える東日本大震災“Don’t Forget Party”

http://magazinesummit.jp/hobby_sport/1404198180326

Don’t Forget Partyは今年で11回目となる。

※2020年はコロナ禍のため中止。

【今もこれからも…スケートボードで出来ること】

2023年3月11日、今年で11回目となったDon’t Forget Partyは、事前にSNSで告知をし「当日セッション(一緒にスケートすること)しましょ!」という形のものだったが、当日は子供から大人まで40人ほどが集まった。

阿部直央やローカルスケーター達とセッションをするために、筆者も開催場所となった榴岡公園スケートパークに足を運んだ。

スケートボードで交流し、語り継ぐ。 駆けつけたスケーターは、この日は自分のためだけに滑るのでなく、スケートボードを通して、震災を経験していない子供たちにもあの日の出来事を伝えていく。

小さな子供だと今はまだわからないかもしれないが、いつか時間が経った時に、この日のDon’t Forget Partyを思い出してくれるかもしれない。

東北を代表するスケーター松木愛瑠 (左)と、現在は宮城県亘理町で活動するスケーター石塚佑太(右)もこの日駆けつけた。

松木愛瑠/フロントサイドキックフリップ

石塚佑太/スイッチオーリー

この日ヤバい滑りを見せたスケーターにはImperial Skateboardのデッキやnew balance numericの靴、Needle Hatやステッカーが配られた。

【12年経った今、あの時と同じこの場所で】

阿部直央/フロントサイドビッグスピン

イベントが行われた榴岡公園スケートパークは仙台駅からJR仙石線(石巻方面)で1駅の榴ヶ岡駅から徒歩5分という好立地。

2021年1月にリニューアルされてからは、初心者でも楽しめる無料スケートパークとして人気のスポットだ。

スケートパークのある榴岡公園は春には桜の名所として、地元の人を中心に賑わいを見せる。

阿部直央は12年前のこの日、この場所にいた。

だから今年は、この場所にこだわりたかったと話してくれた。

Don’t Forget Partyを見ていて感じたことは“今はただ、一緒にスケボーを楽しむ”ということだった。

何年先、何十年先…Don’t Forget Partyがどんな形になっていくのかは想像もつかないが、彼らの思いが次は千年続くように願っている。

参考:「千年続くように…」スケーター阿部直央の考える東日本大震災“Don’t Forget Party”

http://magazinesummit.jp/hobby_sport/1404198180326

文・小嶋勝美

スケートボードの情報を幅広く執筆する、スケートボードライター兼放送作家兼スケーター。

10年間のお笑い芸人生活を経た後、放送作家をしています。

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放送作家 小嶋勝美
この記事を書いた人

放送作家 小嶋勝美

お笑い芸人として活動後、放送作家に転身。 スポーツ番組やバラエティ番組などに携わる傍ら、20年以上続けている大好きなスケートボードのライターとしても活動。 コンテスト記事の他、スケボーの情報や面白い発見を伝えていくと共に、スケートボードが持つ素晴らしさを多くの人に広めていきたいと思っています

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