東日本大震災から7年。スケートボーダーが今出来ること“Don’t Forget Party”

2018/03/12
放送作家 小嶋勝美

「人は忘れてゆく生き物」とは歌詞などで使われているフレーズですが、世の中には忘れてはいけないことがある。未曾有の被害をもたらした東日本大震災。その悲劇はもちろん忘れるはずは無いのだけれど、どうしても年月と共に色あせてしまう事もある。

しかし、そんな悲劇をスケートボードというツールを使って語り繋いでいこうというイベントがあるのを知っているだろうか?

それが“Don’t Forget Party”

今年で7回目となるこのイベントでは子供達への無料スケートスクールや東北の人たちとの交流を目的としたコンテストが行われ、宮城県塩釜市出身のプロスケートボーダー阿部直央が主催している。

※ プロスケーター・阿部直央

毎年、東北で行われていたイベントだが7回目となる今回は埼玉県所沢市に位置するスケートパーク“SKiP FACTORY”に東北の方達を招待しての開催となった。 イベントでは募金活動も行われ、集まったお金は現在営業休止中の宮城県石巻市のスケートパーク“ONEPARK”もしくは宮城県庁の児童福祉課への寄付に充てられた。

※2015年3月7日に荒浜にて行われた“Don’t Forget Party”第4回目

荻堂盛貴の言葉

※プロスケーター・荻堂盛貴

宮城県仙台市を拠点に活動し、東北を代表するプロスケーター荻堂盛貴の言葉にパーク内は静寂に包まれた。

「仲間が突然いなくなるという体験をした人がたくさんいる中で、今生きている人たちには、今ある時間を大切に生きて欲しい。そして今ここでスケートボードが出来ることが本当に幸せな事だという事を忘れないで欲しい」

この言葉を皮切りに14時46分、犠牲者へ黙祷がささげられた。

カーブコンテスト

カーブコンテストは一般クラス、プロクラスに分かれての開催。一般クラスではオーリーでカーブに上がるのがやっとのキッズからプロ顔負けのテクニカルなトリックを披露するスケーターまで幅広い層のスケーターが参加した。

プロクラスではスケーターなら誰もが知る有名スケーター達による、普段見ることのできない豪華なセッションが繰り広げられた。

フラットバンクコンテスト

フラットバンクコンテストもカーブコンテスト同様、一般クラス、プロクラスに分かれての開催となった。

プロクラスでは戸倉大鳳が規格外のエアートリックをメイクし会場を沸かせた。

表彰式

※一般クラス・カーブコンテスト表彰

※一般クラス・フラットバンクコンテスト表彰

※プロクラス・カーブコンテスト表彰

※プロクラス・フラットバンクコンテスト表彰

言霊

今回Don’t Forget Partyに参加し印象的だった事は、大いに盛り上がったイベントであったが、その中で実際に被災した方の言葉の重みだった。プロスケーター荻堂さんが話す言葉に、それまで好き勝手にスケートを楽しんでいた面々もスケートをやめ、全員がその言葉に耳を傾けていた。

きっとその言葉には想いが乗り、言霊になって皆に届いたのだろう。こんな文章では伝わらないかもしれないが、本来あまり人の言うことを聞かないスケーターが全員静かに耳を傾けることなんて滅多にあることじゃない。

7年前の3月11日に起きた出来事で、これまでに2万人以上の方が犠牲になった。その亡くなった人の遺族や残された友人は一体何人いるのだろうか?

何十万人?何百万人?

残された何万人もの人たちの想いの一つでも我々が感じる事が出来れば、更なる支援につながり、ひいては犠牲者の方への慰霊に繋がるのではないだろうか。

写真・文 小嶋 勝美

スケートボードを趣味としており、ライターとしてスケートボード関連の記事を執筆。

約10年間芸人として活動後、現在は放送作家としても活動中。

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放送作家 小嶋勝美
この記事を書いた人

放送作家 小嶋勝美

お笑い芸人として活動後、放送作家に転身。 スポーツ番組やバラエティ番組などに携わる傍ら、20年以上続けている大好きなスケートボードのライターとしても活動。 コンテスト記事の他、スケボーの情報や面白い発見を伝えていくと共に、スケートボードが持つ素晴らしさを多くの人に広めていきたいと思っています

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