元横綱日馬富士の暴行事件に端を発し、貴乃花親方の理事解任などゴタゴタが続いた角界。そんな暗い話題は、土俵上で見せる力士達の相撲で払拭して欲しいものだ。
日馬富士がいなくなり、鶴竜や稀勢の里はケガと隣り合わせ、白鵬も晩年とくれば、今年は世代交代の波が一気に押し寄せてきそう。そこで今年、土俵を賑わせそうな若い注目力士をピックアップした。(※番付は初場所のもの)
阿武咲 -おうのしょう-
小結 21歳 青森県出身・阿武松部屋
去年の5月場所に新入幕を果たし、勝ち星9-10-10-10-8と負け越しなし。4場所目の先場所に新小結まで駆け上がり勝ち越したのは立派。言うまでもなく大関候補の最右翼だ。上位陣を食いつぶせば優勝も有り得ると、個人的には思っている。
貴景勝 -たかけいしょう-
新小結 21歳 兵庫県出身・貴乃花部屋
いろいろあった貴乃花部屋だが、平成16年2月に部屋を創設して初めての三役力士が誕生した。
<本日番付発表:一月場所14日初日→https://t.co/yyLltyLBd9 >新小結の貴景勝は、新番付を手に記念撮影。記者会見を行いました。#sumo pic.twitter.com/6JnJORGaax
— 日本相撲協会公式 (@sumokyokai) 2017年12月26日
本名・佐藤貴信の「貴」は、父親が貴乃花の大ファンで付けたそう。高校は、相撲の名門埼玉栄高校へ進学し7つのタイトルを獲得。そして、名前の縁もあったのか貴乃花部屋へ入門を果たした。馬力ある押し相撲で、序の口、序二段、幕下で優勝。通算20場所というスピード出世で小結まで昇り詰めた。この破竹の勢いが続けば年内に大関も見えてくるほどの逸材だ。
幕内で小結のこの2人、相撲ファンなら誰だって注目しているに違いない。そこで、幕下以下で、年内に幕内まで上がってきそうな期待の力士を先物買いで挙げてみる。ぜひ憶えておいて欲しい。
炎鵬 -えんほう-
幕下六枚目 23歳 石川県出身・宮城野部屋
四股名は、同じ部屋の横綱白鵬が命名したもの。去年5月場所から序の口・序二段・三段目まで21戦全勝・優勝を果たし話題となった。先場所の幕下で敗戦を喫したものの5勝2敗で勝ち越し。169センチの小兵ながら、持ち前の相撲センスで番付を駆け上がってきた。今年の飛躍が期待される。
友風 -ともかぜ-
幕下三十一枚目 23歳 神奈川県出身・尾車部屋
去年デビューし、通算20勝1敗、序の口・三段目優勝を果たす好成績で幕下へ。小学生までは空手、中学で柔道、相撲は高校に入ってから始めたが、監督は「50年に一人の逸材」と言わしめるほどの実力者。日体大を経て角界へ入門した。趣味はピアノで、本人曰く「弾いているときが一番落ち着く」。
庄司 -しょうじ-
三段目二十一枚目 23歳 秋田県出身・武蔵川部屋
デビューから、序ノ口・序二段、ともに7戦全勝の負け知らずで今場所は三段目へ。190センチ143キロという恵まれた体格でどこまで連勝街道を突き進めるか。国立の埼玉大学で、工学部電気電子システム工学科に在籍していたインテリ力士で、去年中退して角界入りした。
最後にもうひとつ、この初場所では横綱DNAを受け継ぐ2人の新力士が前相撲デビューする。昭和の大横綱・大鵬の孫、納谷幸之助(17歳・大嶽部屋)と、平成のお騒がせ横綱・朝青龍の甥・スガラクチャー・ビャンバスレン(18歳・立浪部屋)。
大相撲の未来を担う若い力に期待だ!