春は新入学、新入園シーズンということもあり、学校や友達を題材にした絵本が書店の絵本コーナーに並びますが、今年とても気になっていた絵本がございました。それがこちら!
「がっこうだってどきどきしている」
(文:アダム・レックス 絵:クリスチャン・ロビンソン)
こちらの表紙の学校を見て、「あれ、あそこの校舎に似てない?」と思われた方もいらっしゃるのでは…。
そう連日報道されております森友学園問題、その渦中にある小学校、瑞穂の國記念小學院に少し似ております。報道によると工事停止ということですが、このあと、あの小学校は取り壊されるのか?どうなるのか気になっていらっしゃる方、少なくないのでは…
校舎の見た目が少し似ているだけではございません。
こちらの絵本、主人公が学校なのですが、新築の学校さんなのでございます。絵本の出だしも、こんなテキストではじまります。「工事の車が走り回って穴を掘り、柱を立て、レンガを積み上げて、ぴかぴかの新しい建物をつくりました。・・・」。ニュース映像でよく見たあの小学校の工事車両の姿が思い浮かびます。
絵本の内容は、4月になると、はじめての学校、はじめてのクラスで、子供達はみんなドキドキするものだけど、学校だってドキドキしているんだよ、というお話でございます。本文中には、「つまんないなあ。ねえ、学校って好き?」「きまってるじゃん、大嫌いだよ」という子供たちの会話を学校が聞いてしまい、学校がひどく落ち込むシーンも。改めて学校とは、どういう場所か考えさせられる絵本でございます。
この絵本が出版されたのは、なんと今年の2月25日。森友学園問題が白熱し始めた時期に重なります。
しかし!ここは、強調させていただきます。この絵本と森友学園には一切何の関係もございません。というのも、こちらは、海外絵本でございます。翻訳され日本で出版されたのが2月なのでございます。
が、しかし!
ただの翻訳絵本ではございません。原題は「SCHOOL’S FIRST DAY OF SCHOOL」。ワシントン・ポスト紙パブリッシャーズ・ウィークリー誌カーカス・レビュー誌が選ぶ2016年ベスト絵本だとか。
絵を担当したクリスチャン・ロビンソン様は、ピクサー・アニメーション・スタジオやセサミ・ストリート・ワークショップでの経験を経て絵本作家に。2016年にニューベリー賞、コルデコット賞オナー賞など、世界的に権威のある絵本の賞を受賞されております。
「がっこうだってどきどきしている」。是非是非、このタイミングで読んで頂きたい一冊でございます。(文:N田N昌)