大雪の夜、車を走らせる男と女。先が見えない一夜の道行きは、ふたりの関係そのものだった。現代女性の恋愛心理描写を巧みに表現し、女性から圧倒的な支持を得る直木賞作家・島本理生の原作を映画化した『Red』の公開記念舞台挨拶に主演の夏帆、共演の妻夫木聡、柄本佑、間宮祥太朗、三島有紀子監督が登壇した。
塔子役の夏帆は「三島監督から『今まで見たことのない夏帆ちゃんの顔が見たい』と言われて、そこを出すのにはどうしたらいいのだろうかと悩んでいました」と葛藤を明かしながら「この作品のために自分ができることはなんだってやってやろうという気持ちで現場にいました。凄く悩んでいましたが、それだけ役に没頭できる時間は自分にとって幸せな時間でした」と完走しきった表情を浮かべていた。
塔子が一度愛した男・鞍田役の妻夫木は塔子との禁断の愛について「“宿命”という関係性は演じていて心地よかったけれど、僕自身は生きたくない世界。なるべくそうならない様な自分でいられることの方がいいのかなと…。僕は鞍田と塔子のようにならないように気をつけたいです」と照れ笑い。
またこの日は主演の夏帆に対して、キャスト・監督から公開を祝したバラの花束をプレゼントする企画をサプライズで実施。夏帆と対面した間宮は「夏帆さん、アナタと出会えてよかったです!」と花言葉を引用して告白しながら「初共演ではないことから、夫婦役もすんなりできて、様々なシーンで夏帆さんは素晴らしい女優さんだと思いました。…アナタに出会えてよかったです!」と感謝しながら花束贈呈。
柄本は「アナタと出会えてよかった!」と笑わせっつ「たくましくも救ってあげたくなるようなアナタの魅力にくぎ付けでした。が、あまりにもウチの弟と仲が良すぎてアナタの斜め後ろから弟が僕を見ているような目も若干感じました。でもあなたと出会えてよかった!これなんだ!?」と爆笑していた。
続けて妻夫木も「アナタと出会えてよかった!」と夏帆と対面し「包み隠さず自分の弱い部分を出してくれて、役と逃げずに向き合ってる夏帆ちゃんは本当に素敵でした。覚悟を持った強い方。また共演したいです」と再会を約束。
キャスト・監督の思いとバラを受け取った夏帆は「ここにいる皆さんとご一緒できて、そして何よりもこの作品と出会えてよかったです。30代に向けてのターニングポイントになる作品でしたし、できないことも沢山あったけれど、それでもちゃんと悩む時間を許してもらえたのはありがたかったです。これを糧に皆さんとまたご一緒できたら嬉しい」とさらなる飛躍を誓っていた。