突然ですが、絵本にも季節ものというのがございまして、スイカの絵本、お化けの絵本、虫捕りの絵本などは夏の定番絵本で、夏になると本屋さんで平積みされ、また、図書館ではヘビーローテーションされるのでございます。
しかし、その時期以外は読まれる率が急降下…。そのため、編集担当者は、絵本作家デビューを目指す人に対しては、そういう季節限定のテーマを薦めないとか。デビュー(書籍化)のハードルが上がるそうでございます。そんな裏事情はさておきでございます。
アイスクリームの絵本も夏の定番絵本でございます。がしかし、最近では、冬のアイスの売り上げが年々増加中。1年中食べられるようになってきております。
よく耳にするのが、夏場は氷系(ガリガリ君、しろくまシリーズ)、冬場はクリーム系(ハーゲンダッツのカップ系)がよく売れるとか。
冬は、室内外の温度差などのストレスを解消するために、たくさんの糖分が必要になるので濃厚なクリーム系を体が欲するなどと言われておりますが…。
そう考えると、アイスは夏の食べものという考え方はもう古い?アイスの絵本は夏の読み物という考え方も、もう古いのかかも知れません。ということで、夏の終わりに堂々と(冬に向けて)、アイスの絵本をご紹介させて頂きます。それも、ただのアイス絵本ではございません!今年の夏出版され、数あるアイス絵本の中で新定番となるのでは注目を集めている絵本でございます!
「あたりかも」(作・絵:きたじま ごうき)
作者は、きたじまごうき様。今作が3作目の今注目を集めている絵本作家様でございます。前作の「とっておきのカレー」と「ほしのかえりみち」は、とても暖かい絵と奇抜なストーリーが特徴的だったのですが、今回は冷たいアイスのお話。どんな絵になるのか楽しみにしていたファンの方も多いのでは…。
ストーリーは、約1行で説明すると、食べたアイスが「当たり」なのかどうか確かめるためアイスの王国を旅する冒険物語でございます。当たり付きのアイスが「懐かしい!」と思う世代の方々にもおススメの絵本でございます。
余談ですが、最新の当たり付きアイス「ホームランバーNEO」では、当たりは、「もう1本」ではなく、500円分のクオカードだとか…。時代でございます。
しかし、この絵本の中に登場するのは、「あたり」ではなく、「あたりかも」でございます。アイスの棒には「あたりかも」と書かれていたのでございます。
そこから、主人公の少年は、当たりなのかどうか、確かめるために「アイス王国」に旅に出るのでございます。そして、そのアイス王国での冒険が楽しいのでございます。雪はバニラの味、ストロベリー山脈があったり、コーンの森があったり、○○の畑があったり、もちろん王国の王が住むお城も登場いたします。そして、「あたりかも」の秘密も明らかに…。まさに冷え冷えファンタジーでございます。
ご安心ください。心は冷えませんので。ご心配な方、「あたりかも」の秘密を知りたい方は、是非、新定番アイス絵本「あたりかも」ご体験くださいませ。大人の男性、パパにも超おすすめの絵本でございます。(文:N田N昌)