2016年3月の大相撲もいよいよ佳境になってきました。
注目の日本出身力士10年ぶりの幕内優勝を果たした琴奨菊の綱取りは、残念ながら絶望的になりましたが、稀勢の里が迫力のある相撲をみせてくれるなど盛り上がっています。
大相撲は”今”90年代若貴ブーム以来の人気といわれ、当時の最高年間入場者数84万人に迫る勢い。去年はなんと76万人でした。
アイディア戦略で人気V字回復
思えば2007年に部屋での暴行事件、更に野球賭博や八百長問題などの不祥事が相次いだため人気が低迷、5年前には30万人にまで落ち込みました。
そもそも相撲協会は運営を引退した元力士たちが行っています。言っちゃなんですがかなり閉鎖的。
ところが度重なる不祥事で人気がドン底に落ちた際、協会も危機感を覚え、相撲とは関係ない外部(大学教授、公認会計士、東京地検特捜部の方~etc)から、時代に合った興業、サービス等のアドバイスを求め人気回復に努めました。
例えば、雑誌で相撲好きの女性タレントを表紙に用いたことがきっかけで相撲女子【スー女(スージョ)】が急増。テレビ番組にも力士の露出を増やしたように感じます。
ホームページやSNSで色々な情報を公開しPRすると、若いファンから親しみを持たれるようにもなり、また本場所の動画配信や、力士を育てるソーシャルゲーム【大相撲決戦】も人気。
また、本場所のポスターにもひと工夫。以前はこのように、力士をしっかり写していたのに対し…
- 出典元 http://ameblo.jp/tossy1101/
数年前から、一言のフレーズが印象に残るタイプに変更
出典 日本相撲協会
ファンの間では、この力士は誰なんだろう?とSNSでいつも話題になるそうです。
AKBもびっくりのプレゼントつきチケットも!
『朝稽古の見学付きチケット』
『赤ちゃん抱っこ付きチケット』
『ちゃんこ一杯プレゼントチケット』
『升席チケット購入で力士or親方と記念撮影』
など、実際にファンと力士が触れ合える企画は大好評なのだそうです。
いろいろなメディアで力士を目にする機会が増え、身近に感じられるようになったことから、生で大相撲を見てみたいという新規ファンが増えた、というのが入場者数回復の経緯だと思われます。
大相撲会場でのファンサービスに工夫
しかし、今度は相撲会場へ行ってがっかりされては元も子もありません。今は人気復活中なのでチケット入手も困難という状況ですが、肝心なのはリピーターを増やせるかどうかです。
もちろん、相撲会場でも様々なファンサービスを行っています。
今回の大阪場所では…
『和装day』
和装で来場するともれなく大阪限定手ぬぐいプレゼント
『LINE登録すると限定品プレゼント』
1日先着200名に横綱・大関写真入りクリアファイルプレゼント
また、館内ではお馴染みの親方たちが沢山居て、チケットを切ったり、施設案内役を務めていたりして、気軽に記念写真に応じてくれる場合もあります。
<ひよの山登場!>三月場所中、ひよの山が毎日二回、館内に登場します!13:00~、15:00~、1階西側公式グッズ売店前です。くわしくは→https://t.co/4juxTcmkFa … #sumo pic.twitter.com/rBnb5Tu57x
— 日本相撲協会公式 (@sumokyokai) 2016年3月20日
人気キャラクター【ひよの山】は子どもたちに大人気です。
売店のグッズや飲食品に至るまで相撲一色になっているので、とにかくお相撲好きにはたまらない世界が広がっています。
力士とファンの距離を縮めることを基本に様々なアイディア戦略で人気回復に努めた角界。
この人気に甘んじることなく、更なるファンサービスを打ち出して欲しいと思います