思い出のテレビゲームはありますか?
世界的なヒットを飛ばしたファミコンが発売されてから32年。以来、後世に残る多くの名作ゲームが誕生しています。
しかしその一方で、ストーリーが破たんしている、バランスを崩すほどの難易度、過度のキャラ依存などの理由で『クソゲー』と呼ばれてしまうものも。
とはいえ、酷評はさておき、時を経て愛されるようになったクソゲーもたくさんあります。今回はそういった愛すべきクソゲーを紹介したいと思います。
まずはクソゲーを語る上で避けられないこちらから。
1985年発売『いっき』
縦スクロールのアクションゲーム。農民1人(2人プレイは農民2人)が鎌を投げ投げ忍者などの敵を倒していき、悪代官を捕えるというもの。
なぜこのゲームを語らねばならないのかというと、クソゲーという言葉が生まれるきっかけとなったのが、まさにこの『いっき』だからです。その言葉の生みの親は、マイブーム、ゆるキャラなどの言葉も生み出したみうらじゅん氏。氏曰く、「いっき」がクソゲーたる所以は…
「一揆はひとりやふたりでするものではない」
一揆なのに、プレーヤーが2人までなのは、そもそもクソということらしいです。
- 代官の手下の忍者たちをカマや竹やりで倒しながら、落ちている8枚の小判をすべて集めるか、代官を捕まえるとクリア。1985年に発売
出典 amazon
1985年発売『スぺランカー』
主人公が洞窟最奥の宝を求め、コウモリなどの敵やあらゆる仕掛けを突破しながら探検するアクションゲーム。エレベーターやトロッコなどで移動し、罠をジャンプなどで回避するこのゲーム。確かに難易度は高いですが、ゲーム自体はクオリティーの高いものになっています。では、なぜクソゲーとして語り継がれているのか?
それは…
「脆弱過ぎる主人公」
例えば、エレベーターを降り損ねると即死。ちょっとした段差を踏み外しただけで即死。コウモリのふん(?)に直撃しただけで即死。かといって慎重に進めるとエネルギー切れになって即死。など、とても探検家とは思えないフィジカルとメンタルのか弱さがクソゲー足らしめる所以です。
スーパーマリオだって「敵に当たれば即死じゃん」という声が聞こえそうですが、さすがにブロックに当たっただけでは死にません。実際に『スぺランカー』で遊んだ人に話を聞くと、一度もステージをクリアした記憶がないということでした。
最速スペランカー loopmaster
1986年発売『たけしの挑戦状』
かのビートたけし氏が監修しその名を冠したアクションアドベンチャーゲーム。
しがないサラリーマンの主人公が、宝探しに行くという内容なのですが、クリアまでのルートは難解にして不条理。グッドエンドへのフラグとして、スナックでカラオケを歌わなければいけないのですが、Ⅱコンのマイク機能を使わなければいけません。
その後、もらう宝の地図も最初は白紙なのですが数分放置すると浮かび上がってきます。他にも宝探しのために“離婚”やいきなり“会社を辞める”など、ほぼノーヒントで進行しなければいけないという無慈悲でナンセンスなルールがプレーヤーをイライラさせました。
このゲーム、発売される直前に、たけし氏のフライデー襲撃事件がおこり発売が危ぶまれるという数奇なゲームでもありました。ちなみに、主人公のサラリーマンがゲーム中で、市井の警官や老人や女性(ホステス)に殴りかからないとクリアーできない内容に、もはや笑うしかありません。
これまで数千数万というタイトルのゲームがひっそりと埋もれていく中、今回紹介した3つのクソゲーは、現代まで語り継がれています。それは、ある意味名作であることの証明に他なりません。