コロナ禍以降、受講者が2.5倍増しのオンライン学習プラットフォームCourseraが新たに4,400の講座を日本語に翻訳し新しいAI機能を導入

2024/03/19
マガジンサミット編集部

オンライン学習プラットフォームのリーダーであるCoursera, Inc.は、質の高い教育へのアクセスを向上させ、日本の学習者や教育機関の需要に応える新しい取り組みを3月14日に発表した。

Coursera(コーセラ)は世界最大のオンライン学習プラットフォームの1つであり、2023年12月31日時点で1億4200万人以上の登録学習者を抱えている。Courseraは300以上の大学および業界パートナーと提携し、コース、専門分野、プロフェッショナル証明書、ガイド付きプロジェクト、学士および修士号を含む幅広いカタログのコンテンツと資格を提供。世界中の機関は、データサイエンス、テクノロジー、ビジネスなどの分野で、従業員、市民、学生のスキルアップとスキリングにCourseraを使用している。

発表会当日にはCoursera CEO ジェフ・マッジョカルダ(Jeff Maggioncalda)氏も登壇。CourseraはSDGsの「4.質の高い教育をみんなに」に当てはまり、世界中に平等に教育をオンラインで提供していくのがミッションでもあると述べた。現在は生成AIやChatGPT-4の登場などでほぼすべての職業に劇的な変化をもたらし、就業者は職を失うことにもなりかねないリスクにさらされている。そのような中、新たな学び直しの必要性も突きつけられている。Courseraの学習者は今だけでなく、今後のキャリアに必要なスキルを学び、身につけることができる。

今回、Coursera は日本の学習者に向けた新しいAI機能を導入。4,400の講座を日本語に翻訳、日本語字幕による学習講座の大規模目録の立ち上げを行った。これにより、これまで英語のみで提供されていた一流の講座を、日本語を話す全ての人が受講可能になったのだ。

例えば、DeepLearning.AIとスタンフォード大学の「教師あり機械学習回帰と分類」、イェール大学の「金融市場」や「学習方法を学ぶ:難しい科目を習得するのに役立つ強力なメンタルツール」などの日本で最も人気のあるコースが日本語で受講できる。講座ビデオを見ながらチャット機能で質問もでき、こちらも日本語で回答もしてくれるのでわかりやすい。

コロナ禍以降、Courseraを利用する日本の学習者は77万2000人と2.5倍に増加し、登録者は170万人に達している。また、即戦力となる人材を育成するために、野村総合研究所、SATOグループ、仙台市を含む主要企業や政府機関からは、Courseraの企業向けさサービスを利用している。更に今回の新たな取り組みも加わり、ますます日本での受講者も増えそうだ。

Courseraは195以上の大学と提携しており、東京大学のコースを世界に配信。発表会当日は東京大学 大学総合教育研究センター副センター長 兼 高等教育推進部門長 栗田佳代子氏も登場。

今回、AIを活用した翻訳によって、東京大学が提供する「ビッグバンからダークエネルギーまで」「ゲーム理論へようこそ」「インタラクティブ・コンピュータグラフィックス」などの人気講座が21言語に翻訳され、質の高い日本のコンテンツが世界中で利用されるようになったと説明した。

もちろん、受講者は自己責任でタイムマネージメントをして授業を受講する必要はある。ただ、Courseraは参加型のコースづくりをしており、動画の合間のディスカッションタイムにはアウトプットする時間を設け、課題も受講者同士で採点、評価するようなシステムづくりでお互いの学びやモチベーションにつなげている。また学生同士のコミュニケーションの場にもなっているのだ。

このように世界のどこにいても世界中の主要な大学のコースが受講できる日もそう遠くない未来が訪れるかもしれない。

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