事業再生コンサルティングで一番重要な役割を果たす。シンプルな仕組みで誰でも簡単にお金の動きが見える資金繰り表とは?

2022/04/19
マガジンサミット編集部

経営が傾き、資金繰りがうまく回っていない会社に対して立て直すためのコンサルティングを行っている株式会社アセットアシストコンサルタントの代表取締役である大森 雅美さん。事業再生コンサルティングで使用する独自の方法、資金繰り表について聞いた。

事業や売り上げが縮小した時、借入の返済が重たくのしかかる。最終的に弁護士に相談するものの、法的処理しかなく破産の選択を突きつけられるパターンがほとんどだ。そんな人々に向けて経営者が主体となって、事業を再生できるよう解決の糸口を一緒に見つけ出すお手伝いをするのが事業再生コンサルティングである。

経営コンサルティングでは第一資料として財務三表や決算書の利益率や人件費などのコストを見てアドバイスをする。しかし、上場していない中小企業はそもそも決算書の数字があっていないこともあると話す。本来、正しくあるべき決算書がちょっとした不具合で正されていないこともあるからだ。日本の99.7%が中小企業にあたるため、どんな時もその怪しさを疑わなければならない。そして分析をする中で絶対に正しいのは銀行にある現在の預金金額だ。毎月10億の返済があるのなら銀行の預金に月末には10億がないといけない。これについて月末の残高などを明確にするのに使っているのが資金繰り表である。これにより確かな情報なもと、コンサルティングができる。

また、経営に直結したお金の出し入れがわかる独自の資金繰り表をつくり、広めている。すると月末の残高や各経費も明確になり、それを見て、来月の支払いを待ってもらうようにお願いするのか、経費削減の必要有無や高い売り上げ目標を立てるべきかなど、今後の経営指針にできる。意外にも世の中の会社はこのようなしっかりと数字を見ずに丼勘定が多いという。そのため、資金繰り表をツールにしてアドバイスを行い、事業再生を行っている。

同業他社ではこの方法は取っておらず、資金繰り表を使うことは独自のやり方だ。お小遣い帳のようでシンプルでわかりやすいため、大手にはなかなか理解してもらえないこともあるが、特に中小企業の経営者にとっては理解しやすくありがたいという言葉が上がっている。このように資金繰り表を使うことで自分主体でお金の動きをしっかり理解できるようになり、再生に向けての解決の糸口になるのである。

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