皆さん、2018年の出来たてワインを楽しんでいますか? 秋は新ワインが美味しい季節。国産ぶどうのみで醸造されたワイン「山梨ヌーヴォー」の解禁日だった11月3日には、日本各地で解禁を祝うさまざまなイベントが開催されました。
もちろん、編集部も参加してきましたよ~!
伺ったのは、神奈川県鎌倉市にある「イトーヨーカドー大船店」。同店舗は神奈川県内のスーパーでは最大級となる120種類もの「日本ワイン」を揃えており、「山梨ヌーヴォー」解禁日には、日本ワインに合う和食メニューを提案するワインセミナーが開催されました。
ワインといえばフランス産?いや日本でしょ!
今、世界で最も注目されている銘柄のひとつが日本産ワインです。
気候や土壌がワイン作りに適さず、なかなか日の目をみなかった日本産ワインですが、ぶどうそのものを改良するなど品質の向上につとめた結果、近年、世界規模のコンクールで大きな賞を次々と受賞しています。
その繊細で上品な味わいは、和食にとても良く合うそうなのですが…しかしワインといっても種類が多く、初心者にはどのようなレシピと食べ合わせて良いのか分りません。
今回、和食とワインの美味しいマリアージュを教えてくださるのは、老舗「メルシャン株式会社」(以下、メルシャン)の橋本さん。シャトー・メルシャンは1877年、日本初の民間会社「大日本山梨葡萄酒会社」として創業したのが始まり。日本ワインを牽引してきた存在です。
写真)テイスティングしたのは山梨ワインを代表するシャトー・メルシャンの「甲州」と「マスカット・ベーリーA」そして人気の「マリコメルロー」(長野県 上田市産)。
「甲州」日本固有の白ぶどう品種「甲州」から作られたワイン。フレッシュな酸味と甲州ブドウ独特の心地よい渋みがアクセント。はつらつとした酸味も感じられます。
「マスカット・ベーリーA」日本固有の黒ぶどう品種「マスカット・ベーリーA」から作られたワイン。綺麗なルビー色でキャンディーのような甘い香りと果実のやさしい渋み、そして適度な酸味を感じられます。
食とワインは“似たもの同士”で選ぶのがコツ
ワインと料理をマッチングさせるコツは大きく2つ。
まず、料理の味とワインの味のバランスが極端に違うものは避けた方が良く、お互いのバランスが良さそうなものを選びます。淡泊な味付けの料理にはすっきりとしたワインを。濃厚な味付けの料理にはコクのあるワイン。甘酸っぱい味付けの料理には甘酸っぱいワインといった具合です。
しかし、飲んだことのないワインを味で選ぶのは難しいですよね。
そこで参考にするのが“色”です。「赤ワイン」には、赤・茶色系のレシピを、「白ワイン」には、みどり・黄色系のレシピと合せるなど同色系同士で選ぶと大きく間違えることはないそうです。
※ロブスターのグリルは身の色で分類。
例えば、塩味のあるハム、野菜サラダ類、卵料理、魚介類などはミドリ・黄色系に属するので「白ワイン」。デミグラスソースを使ったレシピや、ステーキ、トマト煮込み系レシピなどは「赤ワイン」がおススメです。
さらに穀類などの“白い食材”は、食材そのものよりもソースや付け合せで選びます。また、白といえば、くせのあるチーズや濃厚なクリームなどの乳製品は、コクのあるワインを選び、素材とワインのどちらともがひきたち、まろやかに口の中で広がれば成功です。
醤油や味噌にあう日本ワイン
白身魚には「白ワイン」、赤身魚には「赤ワイン」。天ぷらは「白ワイン」。鍋類は、水炊きは「白ワイン」、ふぐちりは「白ワイン」、土手鍋は「赤ワイン」、キムチ鍋は「赤ワイン」…といったところでしょうか。
もちろん、例外や個人によって味覚の違いがあるので一概には言えません。「甲州」のようなしっかりとした味の白ワインと相性が良いとされる「鮭」とのテイスティングを試みたところ、個人的には醤油と味噌ベースの甘じょっぱいタレが染み込んだ焼き鮭には「マスカット・ベーリーA」もよくマッチすると感じました。
この奥深さを探ってゆくのが楽しいですね。橋本さんは、「日本ワインは手頃な値段で購入いただけるので、家飲みやパーティまで幅広いシーンで楽しんでいただけると思います。若い方からご年配の方まで、満足いただける味わいが揃っています」と話してくれました。飲み比べをして最高に相性の良い一本を見つけてみたいと思います。
ちなみに「イトーヨーカドー大船店」では、1500円~2000円くらいの日本ワインがよく売れているそう。11月21日からは、やまなし観光推進機構とコラボレーションした山梨県のワインや特産品を取り揃え『山梨フェア』を開催します。
さらに!現在公開中の映画『ウスケボーイズ』は、「麻井宇介」こと、元メルシャン勝沼ワイナリーの工場長、浅井昭吾氏のワイン造りの思想・教えに薫陶を受けた若者たちが、困難を乗り越えワイン造りに邁進する姿を描いています。
観た後は日本ワインの歴史や造詣にも深くなり、よりワインを美味しく楽しめそうですね。各方面で注目されている日本ワイン。その世界を堪能してみてはいかが。