グーグルアースやストリートビューを見ていると、「人類が足を踏み入れていない場所って、もう無いんじゃないか…」という錯覚に陥ります。
しかしまだまだあるんです。
そのひとつが、まだ誰も山頂に登っていない山『未踏峰』。
登れない理由は主に2つ。
峻険で登山者を阻む場合と山自体が信仰の対象になっているため登山を禁じている場合。
今回は、8月11日「山の日」にちなんで、そんな畏怖と崇高、そして謎を併せ持つ未踏峰を紹介します。
キュンガリ(標高6599m)
中国チベット自治区とネパールの国境付近にそびえる、ヒマラヤ山脈にあるキュンガリは、現地でも知らない人がいるという不思議な山。2013年に静岡市山岳連盟所属の辻秀信さんが登頂を目指したそうですが、その後の情報が無いためどうなったかは不明。
実はこの辻秀信さんという方、2010年、未踏峰だった標高6482mの「ヤカワカン」の登頂に成功している人物。今後のチャレンジにも期待です。
カイラス山(標高6656m)
出典 wikipedia
中国チベット高原西部に位置する独立峰。チベット仏教やヒンドゥー教などの信仰の山であるため登山の許可が下りないんだとか。チベットで最も有名な仏教修行者ミラレパが11世紀に山頂に登頂したという伝説があります。
梅里雪山
出典 wikipedia
中国雲南省に位置する、主に7座からなる連山「梅里雪山」。最高峰はカワカブで6740m。
チベット仏教の聖地であるため地元では登山隊を嫌う風潮も。また地形や気候など登山条件が厳しいため連山すべてがいまだ未踏峰。
1900年代から何度も登山隊がチャレンジしていますが、いずれも失敗。91年の日中合同登山隊遭難事故は17人も犠牲者をだしました。
マチャプチャレ(標高6993m)
出典 wikipedia
ネパールのアンナプルナ山系にあるマチャプチャレ。この山、その姿が美しく、マッターホルンに似ていることから「ネパールのマッターホルン」の愛称でも知られています。シヴァ神に関連する神聖な山として地元では崇められているためネパール政府は登山許可を一切認めていません。
しかし、1957年イギリスのロバーツがリーダーを務める隊が唯一チャレンジ。ところが山頂を踏まないという約束に従い、山頂50m手前で下山した記録があります。
つまりこの山も未踏峰。
ガンケルプンスム(標高7570m)
ブータンと中国チベット自治区の国境に座するガンケルプンスム。標高は未踏峰の中で一番高いと言われる7570m。
ブータン、チベット両側とも雪と氷に守られているため条件が厳しい山。しかもブータンの国王が永久に登山禁止を宣言したため、挑戦する場合はチベット側からになりますが、国境が定かではないため中国が許可を出していないそう。つまり永遠に未踏峰となる可能性がある山です。
どれだけ科学技術が発達しても生身の人間が足を踏み入れることができない未踏峰。誰も到達していない場所が、この地球にまだあるのかと思うと、わくわくロマンを感じます。