美味しいだけじゃ店は続かない!いくつもの時代とあまたの困難をのり超えて、伝統と信頼を勝ちえた老舗グルメの名店達。そんな名店から、企業が100年を超えて存続する成功のヒミツを学びたいと思います。
そもそも老舗とは
日本では、創業より100年以上が経過している。100年未満でも、3代以上継承している店を『老舗』と呼ぶそうです。実は、日本は老舗がとても多く200年以上続く店や企業が3937件あるといいます。(2012年6月9日日経新聞)これはドイツ1850件を抜いて堂々世界1位!
親子げんか頻繁!?老舗の世襲事情
日本の老舗企業の9割以上が同族経営とわれています。同族経営とは、創業家一族が実質的に経営・支配権を握っている。また、法人税法、上位3株主の持ち株比率が同族者で、あわせて50%を超える会社。株式の需要が低い中小企業や、買収防衛策として経営者が株式の大部を確保している大企業も同族会社とされます。例えばトヨタ自動車、竹中工務店、サントリーなどは、同族会社の定義に入ります。
会社を一族で守り続けるのは大変なこと。日本のみならず親子関係や御曹司が原因で会社がとんでもない危機に陥った例はたくさんあります。記憶に新しい事件といえば、大韓航空の『ナッツリターン事件』。日本では『大塚家具騒動』『大王製紙の100億円カジノ事件』など、同族という比較的狭いコミュニティでおきるイザコザは、ゴシップ性も強くたびたび世間を賑わします。
『老舗』と聞くと、料亭や旅館を思い浮かべる人も多いはずです。
フランスには、『エノキアン協会』という1981年に設立された経済団体があります。家業歴200年以上の企業のみ加盟を許される老舗企業の国際組織で、日本は現在5社が加盟しています。うち最も古い会社が、西暦718年創業の『旅館法師』(有限会社善吾楼・粟津温泉)なんです。
ではここで、『旅館法師』にも負けない驚きの老舗飲食店を4つご紹介!
『しし鍋』が有名!両国に9代続くジビエ料理店
ジビエ料理とは、野山で育った野鳥や野生獣を狩って料理したもの。ももんじやは店先に猪がぶら下がっているのでも有名です。
創業当時は蕎麦粉を用いた菓子屋として出発。
- 300年の老舗、イノシシやシカ肉料理専門【ももんじや】
【出典 r.gnavi.co.jp】
創業540余年 、応仁の乱ものりこえた!【本家尾張屋 】
室町時代(1465年)に開業。元禄15年(1702年)に初代傳左衛門を名乗り、蕎麦店としてスタート。 京都市中京区車屋町二条
- 本家尾張屋
【出典 tabelog.com】
800年の歴史!民話レベルの世界感!
800有余年49代にわたり受け継がれる日本最古の鮨処。歌舞伎の演目で有名な 「義経千本桜」(1776)の鮨屋の段(いがみの権太)に登場。
奈良県吉野郡下市町下市533
- 【つるべすし 弥助】歌舞伎の演目にも登場する鮎寿司料亭
【出典 www.tripadvisor.jp】
1000年続く‼日本最古のお茶屋!
現在の建物になってからも100年の歴史があり、まるで時代劇のセットのような店舗は、京都市の景観重要建造物にも指定されています。
京都府京都市北区紫野今宮町69
- 【一文字屋和助】平安時代より25代続く超老舗のお茶屋さん
【出典 tabelog.com】
変わらない味のために、どう変わってゆくのか?
伝統を守るための10ヶ条!
①不易流行(イノベーション)
絶えず新しい句材を求め、技術を取り入れ改革することを恐れない
②ブランドの確立
他店との差別化。アイコンやコンセプトをデザインし表現すること
③不祥事を防ぐ
飲食業において、衛生管理の不祥事は最大の危機!
④リスクへの備え
自然災害などへの備え。災害は絶対におこるものです。
⑤地域への貢献
観光・新産業への強力をおしまない!地元を愛してこそ長く続くのです。
⑥人材育成
技術をもち、時代の変化に対応できる人材を育てること!
⑦同族経営
ケンカしないように頑張りましょう。
⑧グローバルな視点
狭い地域だけに閉じこもらず、広い視野が大切です。
⑨家元制
従業員は家族です。社長は家族を守ります。
⑩三代目は養子
老舗企業のあるある。同族に拘るも優秀な人材は確保すべし。
いかがでしたか。経営者の信念と努力、家族一致団結力があって、わたし達は100年以上続く秘伝の味を楽しむことができるのですね。
創業年数では京都・奈良にはかないませんが、東京にも“おいしい老舗”がたくさんあります!