峯村「録画•録音が自然に提案できるのが良いですね。言った•言わないがなくなります。社長室は密室なので言質がとれませんから。そして、リアルに訪問するよりストレスフリー。30分話して相性が悪かった場合は非礼を詫びてボタンを押せば退出できます。まさに、いいことづくしなのです」
営業は30分が勝負!飽きさせない資料作り
WEB会議ツールを利用した営業に必要な時間は30分。うち20分は商品説明、残りの10分はクロージングにむけた話という配分が理想的だそうだ。
峯村「15分でいいからと言いたいところですが、それでは短い。20~30分がオンライン営業で時間をとれる限界です。なので、短い時間に自社の商品を上手くアピールできるスキルが必要になってきます。まずは導入の「効果の説明」と「商品の概要」。そして「競合との差別化」と「費用」、これらを完結に盛り込むことが大切です。すべてを20分で説明できるか練習するといいでしょう。社長にささるコトバを織り交ぜながら短く話してみてください」
この型を完成させるまでに何度もリハーサルを重ね試行錯誤したという峯村氏。より上級テクニックとして「短いなかにも飽きのこない資料の見せ方が大事」と話す。“ちょい読ませ”ながら効果的にチャートをはさみ、パッと理解させる資料作りを心がけている。
峯村「やるよ!となると『さっそく担当を紹介するから』とまとめてくれるのが社長です。細かい説明はせずUSPだけをしっかり盛り込んでおけば良いのです。その点でも、最初から組織のトップにアプローチできる利点は絶大です」
実は、社長にこそ知ってもらいたい
では“社長ダイレクトZoom営業”ならではのマイナス面はあるのだろうか。
峯村「気軽に応じてくれるぶんリアル対面よりもすっぽかしが意外に多いです(笑)。遅刻の常習犯もいらっしゃいます。また、あちらの来客訪問がずれ込んでいる場合もありますから、30分のオンライン営業とはいえ1時間くらいのスケジュールをとっておきましょう。あまり詰め込みすぎると危険です」
これまでにも経済セミナーなどの場に300回以上登壇してきた峯村氏だが、ビジネスの最前線に立つ営業パーソンに伝えたいことは“思い込みの払拭”と“新しい価値観”だ。
峯村「コロナが落ち着いてきた今、リモート会議が苦手でやっぱり会った方がいいよね!という営業パーソンはまわりにいっぱいいます。営業は互いの気持ちを肌で感じるべきと思うのかも知れません。でも、WEB会議ツールを利用した営業は余分な情報や時間を遮断できる分、セールスに真剣に向き合い、自分が推している商品の価値を考える絶好の機会にもなる。これは商品やサービスを選ぶ側の社長さんにも伝えたいです」
写真)2023年3月25日発売『社長ダイレクトZoom営業』(ぱる出版)。
もし、あなたが今、営業成績が振るわず己の存在に自信をなくしていたら、“社長ダイレクトZoom営業”を試すといい。トップには簡単に会えないという常識を覆してくれるかも知れない。そして、売るべき商品やサービスの価値に向き合わずに、その場をとりつくろうことばかりに注力していたと気が付くかも知れない。
そして経営のトップは初めての営業パーソンにオンライン営業をお願いされたらこれはチャンスと思うべきかも知れない。本当に必要とするサービスや商品との出会いが待っているかも知れないのだから。