生命の設計図とも言うべき全ゲノム。その解析範囲は約3万の遺伝子と690万以上の遺伝子変異と、途方もない数となっています。しかし、遺伝子の情報と言うのは一生変わりません。つまり、これらが解析できれば遺伝子レベルで健康リスクや体質を把握することが可能。潜在的なリスクを早期に発見、特定して予防することができるのです。
さて、全ゲノム解析は「大病院でするもの」、「莫大な費用がかかるもの」と思っていませんか。実は、5分あれば自宅で気軽に検査できます。費用は約15万円。結果は、2週間以内にスマートフォンに届きます。それが、日本初の全ゲノムシーケンシング遺伝子検査キット「GeneLife(ジーンライフ) WGS」です。
同キットを開発、販売するジェネシスヘルスケア株式会社は7月28日、都内で記者発表会を実施。開発の背景などが紹介されました。
日本人130万人超の遺伝子検査
GeneLife WGSは最新の解析機器「NovaSeq6000」の解析手法、全ゲノム30回解析を採用。高品質な解析を実現させています。同社の研究所では日本人130万人超の累計遺伝子検査実績があり、AI技術を用いたことで6,500項目以上の遺伝的な疾患リスクや体質などが解析できるようになりました。
解析可能な疾患項目例としては「胃がん」や「大腸がん」、「肺がん」、「メラノーマ」などが挙げられます。また、「心筋梗塞」、「高血圧症」、「先天性心疾患」、「免疫不全」、「筋ジストロフィー」などもカバー。「糖尿病」については発症のしやすさだけでなくI型かⅡ型かなども解析することができます。
講演した取締役のイェスパー・コール氏は「遺伝子とAIは健康革命の起爆剤となるのでは。従来であれば、例えばがんの可能性を探るとなると情報過剰があった。しかし、ゲノム解析はピンポイントで特定できるため、効率の良い予防対策ができる」と語りました。
医師とつながるハイブリッド製品
執行役員を務めるミシェル・モメジャ氏はGeneLife WGSの詳細について解説。「GeneLife WGSは解析精度を担保するために、8月1日から毎月500キット限定で販売する。販売価格は税込149,990円。採取具に唾液を入れて返送するだけ。5分で検査は終了する。検体到着から2週間で検査結果が被験者のスマートフォンに届く仕組み」としました。
また、検査前に提携クリニックの医療従事者によるカウンセリングが提供されるのもポイント。「オンラインカウンセリングから検査結果の通知まで、全てアプリで完結できるハイブリッド製品」と訴えました。
予防医療と健康増進を推進するバイオテクノロジーのリーディングカンパニーとして知られる同社。スポーツ関連遺伝子検査キットや自己分析遺伝子検査キットだけでなく、昨今では新型コロナウイルスの検査キットも提供しています。満を持してリリースされたGeneLife WGSは、私たちの予防や健康に大きな影響を与えそうです。