不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME'S」は1月24日、物件探しのときに希望する「理想」の条件と、実際に借りる際に選択した「現実」の条件などについて、3年以内に初めて一人暮らしをした550人を対象にした調査の結果を発表。理想の実現度は平均68点で、「賃料・管理費」と「初期費用」など費用面で妥協した人が多いことがわかりました。
まずは「最初に希望していた条件」と「実際に住んだ物件の条件」をランキング化。その結果、希望条件では、「賃料・管理費が予算内に収まる」という費用面をもっとも重視していたものの、実際に選んだ条件では「通勤・通学がしやすい」「買い物が便利である」という利便性がトップ2に。「賃料・管理費」や「初期費用」など費用面を妥協した人が多数でした。希望条件8位の「希望する間取り(部屋数)」は、実際の選んだ条件でランク外となっており、理想と現実のギャップが垣間見えます。
次に、実際に住んでみて「そこまで必要ではなかったと思う条件」を調査。割合がもっとも高かった「部屋が広い」は、一人暮らしで必要以上の広さがあっても、掃除の手間や光熱費がかかってくることが理由に影響しているようです。また、「コンロが2口以上る」が上位に入りましたが、これは実際の新生活で料理をさほどしなかったことの表れといえます。リモートワークやオンライン授業が浸透してきている現在は、定番条件の「駅までの距離が近い」「通勤・通学がしやすい」を重視していない人も少なくないようです。
ひとり暮らしにおける部屋の広さは、国土交通省の居住面積水準が一つの目安になります。最低限必要な面積(最低居住面積水準)と、ゆったり過ごせる広さ(誘導居住面積水準)が示されており、友人などを頻繁に家に招くわけでなければ、誘導居住面積水準以上の平米数はなくてもいいでしょう。
予算については、意外にも「予算内で条件に合う物件が見つかった」という幸運な人が約45%と半数近くを占めました。「予算」と「条件」が合わなかった人のうち、「条件」を見直した人は約33%、「予算」を上げた人は約14%となり、「予算」重視派が倍以上となっています。一般的に家賃は手取りの3分の1までが望ましいといわれ、さらにおおよそ家賃4~6か月分の初期費用や引越し代が別途かかるなかで、予算を上げるのは難しいようです。
はじめて一人暮らしをした物件の満足度は、平均が68点となりました。70~80点台の割合がそれぞれ2割を超えており、総じて評価が高めであることがうかがえます。一方、50点未満の低い点数を付けた人は約13%ほどで、希望の条件を妥協するなどしても「住めば都」で住んでいるうちに愛着が湧いてくる傾向が強いようです。
1人暮らしを経験した人たちからは、「絶対に内見はした方がいい。不動産会社の担当者に、前に住んでいた人の退去理由を聞くといい」「通勤ラッシュ時の電車の混み具合を考えたい。値段より毎日の快適さが重要」「住民のマナーをチェックするため、ゴミ置き場に回収されずに残っているものがないかを事前に確認すべき」「何を妥協して、何が譲れないか、実際に住むことを考えて想像するべき。このくらいは我慢できるだろう、ということが意外と厳しい」時間にゆとりを持って探すことが大切だと思う。ひとつの不動産に限らず、選択肢を増やすことも大切」といったアドバイスが挙がりました。
さらに、同社は「マナーをチェックする方法には、ゴミ置き場を確認する以外に、郵便ポストの周辺にチラシが散乱していないか、掲示板に騒音に対する注意喚起などがないかを見てみるのも有効です」「物件を内見する前に、絶対に譲れない条件と無理なく出せる予算を定めておくことをおすすめします。内見すると物件の内装に気を取られがちなので、周辺環境や通勤先などへの通いやすさも含め、条件ごとに点数をつけておくといいでしょう。内見する時間がないという方は『オンライン内見』という方法もあります」と、物件選びで失敗しないためのチェックポイントを紹介しています。
【参考:賃貸物件の探し方】
https://www.homes.co.jp/cont/rent/rent_00160/