季節の変わり目の今、疲労感を感じている人も多いのではないだろうか。暑すぎる夏がようやく終わったかと思ったら、秋雨に、続く台風など落ち着かない天気。疲労感が増すだけでなく、やる気も減退してしまいがちだ。そこで今回、サントリーウエルネス(株)が、ミドル世代が抱える疲労感や疲労感に伴う悩みについて、全国に住む40〜50代男女1,000名を対象に、疲労感に対する実態調査を実施した。疲労感をケアする対策はあるのだろうか。
疲労感に関する実態
1.ミドル世代の8割が疲労感を感じており、そのうち、8割以上の人が6ヶ月以上も疲労感が続いていると回答。
Q1で「日々生活の中で、疲労感を感じているか」と聞いたところ、「とても感じている」33.9%、「やや感じている」46.1%、となり、80.0%の人が疲労感を感じていることが明らかに。
そのうち、「とても感じている」、「やや感じている」と回答した人に、Q2で「6ヶ月以上疲労感が続いているか」を聞いたところ、「とても感じている」34.6%、「やや感じている」49.4%、となり、84.0%の人が長い間、疲労感を感じていることがわかった。
【Q1】あなたは日々の生活の中でどのくらい疲労感を感じていますか。
【Q2】あなたは6ヶ月以上疲労感が続いていると感じますか。
2.季節の変わり目の疲労感に要注意!7割以上の人が、残暑が残る秋ごろに疲労感を感じたことがあると回答。
2024年の夏は、昨年と並び「最も暑い夏」と言われている※。そのような中、Q3で「夏が終わった残暑が残る秋ごろに疲労感を感じたことがあるか」を聞いたところ、「感じたことがある」32.2%、「やや感じたことがある」41.9%と、74.1%の人が、暑さが残る時期に疲労感を感じたことがあると回答。
※ 気象庁「2024年夏(6月〜8月)の天候」より
【Q3】夏が終わった残暑が残る秋ごろに疲労感を感じたことはありますか。
3.疲労感を感じていると回答した人のうち、約6割もの人が「疲労感への対策を行なっていない」と回答。
Q1で疲労感を感じていると回答した人に、Q4で「疲労感に対して対策を行っているか」を聞いたところ、「あまり行なっていない」43.4%、「まったく行なっていない」15.4%と、58.8%が疲労感を感じているにも関わらず対策を行なっていないことがわかった。
【Q4】あなたは疲労感に対し対策を行なっていますか。
4.たとえ疲労感への対策を行なっていても疲労感が取れにくい傾向に。
Q4で「積極的に行なっている」、「たまに行なっている」と疲労感の対策を行なっていると回答した人に、Q5で「疲労感へ対策する上で、悩んでいることはあるか」について聞いたところ、「休んでも十分に疲労感が取れない」49.3%が最も多く、次いで「朝から疲労感を感じてしまうことが多い」37.2%と続いた。たとえ対策を行なっていても疲労感が取れにくいことに悩みを抱えていることが明らかに。
【Q5】あなたが疲労感へ対策する上で悩んでいることをすべてお選びください。(複数回答)
5.やるべきことが多く、それに対してモチベーションが湧かないことが疲労感に影響していることが明らかに。
中富先生監修の下、現代社会におけるミドル世代のライフスタイルの特徴を踏まえ、疲労感を10パターンに分類し、命名。その上で、Q1で疲労感を感じていると回答した人に、Q6で「あなたが感じている疲労感に該当するものをすべてお選びください」と聞いたところ、何かをやりたいが、モチベーションがわかず時間だけが過ぎていく「低モチベ疲労感」39.5%が最も多く、続いて次から次へと問題や課題があらわれてこなしきれない「終わらない疲労感」34.5%、仕事と家庭など時間が限られている中で複数のことを達成しなければならないことによる「逆説疲労感」30.2%という結果に。
また、Q7で「低モチベ疲労感」を選んだ理由を自由記述で聞いたところ、やるべきことが多く、それに対してモチベーションが湧かないことが疲労感に影響していることがわかった。
【Q6】あなたが感じている疲労感に該当するものをすべてお選びください。(複数回答)
【Q7】あなたが「低モチベ疲労感」を選んだ理由を具体的にお答えください。(自由記述) ※回答より一部抜粋
女性 51歳 パートタイム勤務 既婚 子育て中
「家の片付け等やる事は沢山あるのにやる気が起きずダラダラと時間だけが過ぎてしまうから。」
男性 51歳 会社員 既婚 子育て中
「日頃思いついたことややらないといけないことに対して素直に行動できるが、たまにやらないといけないとは思っていることに動きだすことができないことがある。結果的にはやるが気分がのらない状態での作業を行なってしまう。」
女性57歳 自由業(フリーランス) 既婚 子育て中
「子供の受験や姑の介護でいろいろ問題が起き、やることが多い。仕事の準備や研修会などやる事、やらなければいけない事があるが、お尻に火がつかないとやり始められない、家事が面倒に感じることしばしば……等です。」
男性 49歳 自由業(フリーランス)未婚
「仕事はあって、締め切りもすぐ目の前(ときには今日)なのに、なかなかやる気がわかず、着手が遅れてしまうことがたまにある。気持ちが盛りあがらないせいなのだけど、体ではなく、心が疲労感を感じているのかな、と。」
6.疲労感の原因の一つである“細胞のサビ”について知っている人はわずか3割という結果に。
Q1で疲労感を感じていると回答した人に、Q8で「疲労感の原因の一つが細胞のサビ・抗酸化力の低下であることを知っていますか」と聞いたところ、「知っている」4.9%、「なんとなく知っている」26.1%と、“細胞のサビ”について知っている人は31.0%という結果に。
さらに、Q9で“細胞のサビ”への対策方法を知っているか聞いたところ、「あまり知らない」35.5%、「まったく知らない」15.3%と、50.8%が細胞のサビへの対策方法を知らないということわかった。
【Q8】あなたは疲労感の原因の一つが細胞のサビ・抗酸化力の低下であることを知っていますか。
【Q9】あなたは細胞のサビ・抗酸化力の低下への対策方法を知っていますか。
疲労感がなければ実現したいこと
7.疲労感を感じる人の約7割が「20,30代の頃よりも、疲労感によってやりたいことを諦めることが増えた」と回答。
Q1で疲労感を感じていると回答した人に、Q10で「20代・30代の頃の自分よりも、疲労感によってやりたいことを諦めることが増えたか」聞いたところ、「とても増えた」20.8%、「増えた」48.9%と、69.7%が疲労感によってやりたいことを諦めることが増えたと回答した。
【Q10】あなたは20代・30代の頃の自分よりも、疲労感によってやりたいことを諦めることが増えましたか。
8.疲労感を感じていなかったら、アクティブな行動に時間を費やしたいと思う傾向に。
Q1で疲労感を感じていると回答した人に、Q11で「もしあなたが疲労感を感じていなかったらやりたいことはなにか」聞いたところ、「家族と旅行に行きたい」が最も高く31.0%、次いで「筋トレをしたい」が26.4%、「スポーツをしたい」25.1%が続き、アクティブな行動に時間を費やしたいと思う傾向が見られた。
【Q11】もしあなたが疲労感を感じていなかったらやりたいことはなんですか。(複数回答)
さらに、男女別に回答結果を見たところ、男性は「家族と旅行に行きたい」と「筋トレをしたい」が同率で30.6%、次いで「スポーツをしたい」が27.6%となりました。女性は「家族と旅行に行きたい」が最も高く31.4%、次いで「髪のケアなど美容の時間に充てたい」が28.6%、「パートナーや友人と旅行に行きたい」25.4%が続き、男女での結果に違いが見られた。
【Q11】もしあなたが疲労感を感じていなかったらやりたいことはなんですか。(複数回答)
監修・中富 康仁先生コメント
長い猛暑を経てようやく来た今年の秋は、疲労感がとれないと感じている方も多いと思います。疲労感を回復させる力である「抗酸化力」が消耗しており、あらたな「細胞のサビ」に対抗できない状態になっていることが原因です。さらに寒暖差の影響も加わることで、朝にエンジンがかかりにくいと感じる方もおられるかと思います。
「抗酸化力」の低下は、忙しくて休息が取れず、ストレスにさらされ、睡眠不足である人が陥りやすい傾向にあります。また年齢とともに「細胞のサビ」に対抗する抗酸化能が低下するため、仕事が忙しく家庭を持つミドル世代の方々は特にケアが必要になります。
疲労感の影響からか、当院の患者さんでも特にミドル世代の方に「休日に出かけたいがゴロゴロしてしまう」、「運動不足を感じてジムに行こうと思うが足が向かない」などの訴えが多いです。終わりの見えない疲労感からか、何かやりたいけど、モチベーションがわかない、まさしく『低モチベ疲労感』に悩まれているのがミドル世代の特徴かと思います。
特に子育て期ではどうしても睡眠不足になってしまいます。「本当は早く寝たほうがいいのだろうけれども、ようやく自分の時間と思うとだらだらと動画をながめてしまって寝るのが遅くなる」ことで、さらなる睡眠不足を引き起こし、「細胞のサビ」がとれない状態が長く続くため、なかなか疲労感が抜けないと悩まれる方もいらっしゃいます。
仕事が忙しい方は、明確な原因がわからずなんとなくの疲労感を放っておいてしまう方がいらっしゃいますが、長引くと免疫力の低下や不調につながりますので注意が必要です。
疲労感の軽減には、日々の生活習慣の見直しと、適度な運動、十分な睡眠時間を確保し、「抗酸化力」を向上させる栄養成分を摂取することが重要です。
<プロフィール>
疲れと眠りのクリニック淀屋橋 院長 中富 康仁 先生
福岡県出身。2002年京都府立医科大学医学部 卒業。
大阪市立大学・疲労クリニカルセンターにて疲労科学を研究したのち、日本で初めての疲労専門クリニックを開設。10年にわたり疲労や睡眠に悩む患者の診療を続けている。疲労の科学、コロナ後遺症による倦怠感、慢性疲労症候群について、YouTubeでの解説も行なっている。
今回の調査で、ミドル世代の8割が疲労感を感じながら毎日を過ごしていた。しかも長期間にわたって感じている人も多い。忙しい毎日の中で良質の睡眠や運動などケアをするのは難しく、疲労感を感じながらもそのまま頑張り続けてしまう。そのためせっかくの休日も充実したものになりにくい傾向もうかがえた。
疲労感には、「抗酸化力」や「細胞のサビ」が影響しているようだ。やりたいことを諦めてしまうのはもったいない。
食事やサプリなどから「抗酸化力」を高める栄養成分を摂るなど、忙しい中でも簡単にできることから始めてみてはどうだろうか。