インドネシア発「Othman」が日本進出 伝統的な素材と現代的シルエットで世界を目指す

2026/06/17
マガジンサミット編集部

インドネシア発のファッションブランド「Othman(オスマン)」が、日本での展開を本格化させている。ジャカード生地をはじめとする特徴的な素材と、現代的なオーバーサイズシルエットを組み合わせた服作りが持ち味のブランドだ。共同創業者兼CEO(Founder)のDimboy(ディンボイ)氏、共同創業者兼COO(Co Founder)のoby reza(オビ・レザ)氏、日本展開を担うバイヤーのHN2Y社代表 林恵一氏に、ブランド設立の背景や日本市場に感じる可能性、今後の販売戦略を聞いた。

Othmanは、トレンドを取り入れるだけでなく、自ら新たな流れを生み出し、立ち止まることなく前進していくブランドを目指して立ち上げられた。現在は設立から3年目を迎えており、ディンボイ氏は「これまでの経験を踏まえながら、さらに学びを重ねて成長していきたい」と考えを示した。

ブランド名の「Othman」は、イスラムの歴史に登場するウスマン・ビン・アファンに由来している。「裕福な人物として知られていることから、ブランドにも幸運や繁栄が続いてほしいという願いを込めた」という。

一方、立ち上げ当初には、素材の調達や工場との交渉に苦労した。オビ・レザ氏によると「希望する生地を安定して仕入れ、生産につなげることは簡単ではなかった」という。さらに、数多くのブランドが存在する中で、Othmanならではの個性を確立し、取引先や顧客から信頼を得ることも大きな課題だった。

そうした試行錯誤を経て、ブランドの個性として打ち出したのが、ジャカードをはじめとする特徴的な生地と、ゆったりとしたシルエットの融合だった。ディンボイ氏は「ジャカードは扱いが難しい素材である一方、その生地を生かすことで、ほかのブランドとは異なるキャラクターを表現できる」と語った。デザインについても「国や市場に応じた調整を重視している」とのことで、「日本ではシンプルな装いが好まれる傾向を踏まえ、Othmanらしい柄や素材感を残しながら、着やすいカッティングとのバランスを探っている」と説明した。

オーバーサイズを軸に据えた背景には、創業者2人が日本のストリートファッションを好んでいたことがあった。ただし、既存のデザインをそのまま取り入れるのではなく、日本やヨーロッパのデザイナーから得た着想を組み合わせ、自分たちなりのシルエットへと昇華させることを大切にしてきた。

現在、ブランドを象徴するアイテムとして支持を集めているのがジャケットだ。薄手から厚手まで異なる生地を用い、季節を問わず取り入れやすい商品を展開している。ディンボーイ氏は、顧客からもジャケットの人気が高く、「『Othmanといえばジャケット』というイメージが形成されつつある」と手応えを口にした。

日本進出のきっかけは、日本人バイヤーとの出会いだった。オビ・レザ氏は、「Othmanの特徴的な生地やデザインにバイヤーが関心を示したことから話が進み始めた」と振り返った。もともと日本史上のことを「アジアの中でもファッションのトレンドを生み出し、発信する力が強い市場」と分析していたこと、そして自身が日本のファッションから影響を受けてきたこともあり「日本でブランドを知ってもらうことは、ほかのアジア地域や世界へ広がるための重要な一歩になる」と考えたという。

初の東京でのポップアップについて、ディンボイ氏は前向きな反応を示した。「以前から日本を好み、日本のファッションについて学んできた中で、インドネシアのファッションにも日本のスタイルと通じる部分が増えていると感じている」と述べ、「Othman独自のデザインを日本の市場やトレンドにどうなじませるかは、今後の大きなテーマになる」とした。

特に魅力を感じているのが、街ごとに異なる日本のファッション文化だった。「原宿や下北沢など、それぞれの街で異なるスタイルが共存しており、どれか一つだけが正解ではない。その多様性から刺激を受けている」と語った。

また、オビ・レザ氏は「ブランドの提案がアジアだけでなく、より幅広い地域で受け入れられることに喜びを感じている」と話し、「ファッションイベントで評価を受けた経験も、Othmanの方向性に対する自信につながった。今後も異なる文化やブランドとのコラボレーションを通じ、ブランドの魅力を発信していきたい」と意欲をにじませた。

5年後の目標について、ディンボイ氏は「まずOthmanをより多くの国とファッション業界に知ってもらい、さまざまな店舗で商品を取り扱ってもらうこと」と口にした。さらに「将来的には世界的なラグジュアリーブランドとの協業も視野に入れながら、Othman自体をラグジュアリーな価値を持つブランドへ成長させたい」と語った

日本展開を担う林氏が最初にOthmanを見た際に感じたのは、その魅力が日本市場でも十分に伝わるという可能性だった。「海外ブランドであることの珍しさだけでなく、ルックやSNS上での見せ方も、日本の消費者に訴求できる」と判断したという。

林氏は、インドネシアの伝統を感じさせる特徴的な生地と、日本でも受け入れられやすいシルエットの組み合わせを評価した。「伝統工芸品のように鑑賞するだけのものではなく、現在のファッションシーンの中で実際に着用し、勝負できる服であることが大きな強みだ」と見ていた。

想定する顧客層は、特定の年代に限定していない。「機能性が高く、シンプルなファッションが広く支持される一方で、もう少し自分らしい個性を出したいと考える人に適している」という。「古着を自在に着こなすほどの自信はなくても、特徴的な生地やデザインを取り入れることで、自分らしさを表現しやすい点も魅力だ」と説明した。

今後は「日本でブランドの認知が進んだ段階で、日本のブランドやクリエイターとの協業も検討する」とした。現状はジャケットを中心に、パンツやTシャツなどを展開しているが「シューズをはじめとする異なるカテゴリーのブランドとのコラボレーションにも挑戦したい」と明かした。

販売面については「今回のポップアップを日本でのお披露目と位置付け、ジャケットやアウターの需要が高まる秋冬に向けて本格的に導入する」と述べ、「ポップアップに加え、ECやTikTokを活用したライブコマースにも力を入れる方針で、ECとライブコマースに強い株式会社コマースファクトリーと連携しながら販路を広げていく」と考えを示した。

さらに「卸売りに強い繊維商社と組み、バイヤー向けの展示会へ参加することで、セレクトショップへの展開も目指す」とした。「現在はメンズを中心としたラインアップだが、日本市場では女性に商品を手に取ってもらい、発信してもらうことも重要だ」と分析した。レディース商品については、市場の反応を分析しながら製造検討していくとのことだ。

最後に、ディンボイ氏は、日本で受け入れられたことへの感謝を示しながら「今回の経験を一過性のものにせず、より多くの人にOthmanを知ってもらいたい」と強調した。その上で、人とのつながりを一つずつ大切にしながらブランドの認知拡大を進め、将来的には日本でファッションショーを開催することを目標に掲げていた。

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