2019年下半期……
プロゴルフの全英女子オープンを制覇した渋野日向子プロやラグビーワールドカップで日本代表が史上初のベスト8入りするなど、スポーツ界の偉業で日本中が華やぎましたが、一方で偉業を遺し旅立った方々も……。
前回に続き今回は、多くの功績を遺し2019年下半期に鬼籍に入った方々を振り返ります。
7月
ジャニーズ事務所社長:ジャニー喜多川さん……9日、解離性脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血で亡くなりました。87歳でした。
芸能プロダクション、ジャニーズ事務所の社長で芸能プロデューサーだったジャニーさんはロサンゼルス生まれ。現地のショーで歌い踊る男性グループを見て衝撃を受け日本にそのスタイルを持ち込んだ第一人者。“最も多くのコンサートをプロデュースした人物”などギネス世界記録認定されました。
競走馬:ディープインパクト号…… 30日、繁養先の北海道の牧場で頸椎骨折が判明し安楽死の処置がとられました。17歳でした。
現役時代は日本競馬史上6頭目となるクラシック三冠を無敗で成し遂げ、GⅠを通算7勝。生涯獲得賞金は14億5千万円超で最強馬と謳われた一頭。引退後は種牡馬として年間200頭以上に種付け。その料金は4000万円。代表産駒は牝馬三冠のジェンティルドンナ、GⅠ2勝のサトノダイヤモンドなど、父としても最強でした。
8月
桂花創業者:久富サツキさん……13日に亡くなりました。93歳でした。
熊本ラーメンの人気店「桂花ラーメン」の創業者、久富さんは1955年、29歳の時に熊本市内で初めて店を構えました。その後、東京にも進出、ホームページによると現在熊本に5店舗、東京に8店舗ある人気ラーメン店の一つにまで成長しました。
9月
作家:安部譲二さん……2日、急性肺炎のため亡くなりました。82歳でした。
高校卒業後、航空会社に勤める一方暴力団の構成員として活動。その後、拳銃の不法所持で服役、暴力団から足を洗いました。この時の刑務所暮らしからベストセラー『堀の中の懲りない面々』が誕生。
特異な経験とインテリジェンスを併せ持ち、親しみやすいキャラクターもありマルチタレントとしても活躍しました。
10月
女優:八千草薫さん……24日、すい臓がんのため亡くなりました。88歳でした。
映画「宮本武蔵」「蝶々夫人」、ドラマ「岸辺のアルバム」「白夜行」など多くの名作に出演した八千草さん。
1957年、宝塚退団直後、作品で出会った19歳年上の映画監督、谷口千吉さんと周囲の反対を押し切り結婚。おしどり夫婦として知られていました。
野球選手:金田正一さん……6日、急性胆管炎による敗血症のため亡くなりました。86歳でした。
国鉄~巨人で前人未到の400勝を達成した金田さん。現役引退後はロッテで2度に渡り監督を務め1度の日本一。激情型の指揮官としても人気で乱闘をおこすことも度々。ある乱闘の際には当時近鉄の助っ人外国人トレーバー氏の顔面を蹴ったこともありました。
11月
俳優:鴈龍さん……1日、急性心不全のため亡くなりました。55歳でした。
勝新太郎さんと中村玉緒さんの長男で知られる鴈龍さんは1989年、勝さん主演「座頭市」でデビュー。この撮影中、真剣で殺陣師を誤って死亡させる事故が起こり謹慎。後に復帰しドラマ、舞台などに出演していました。鴈龍さんは一人暮らしだったため発見されるまで数日たっていたそうです。
声優:井上真樹夫さん……29日、急性心臓死のため亡くなりました。80歳でした。
「宇宙海賊キャプテンハーロック」のハーロック、「巨人の星」の花形満などそうそうたるキャラクターを演じてきた井上さん。中でも印象的なのは1977年から2010年まで演じた「ルパン三世」の石川五エ門役。井上さんは住職の息子で自身も晩年は住職を務めていたため五エ門を演じる際は作務衣や袈裟姿で現れることもあったそうです。
12月
俳優:梅宮辰夫さん……12日、慢性腎不全のため亡くなりました。81歳でした。
「仁義なき戦い」など多くの名作に出演するスター俳優であった一方、料理家の一面も。94年には俳優では初めての挑戦者としてテレビ番組「料理の鉄人」に出演し道場六三郎さんに挑戦。愛車のベンツが盗難された時は「ベンツはいいから載せていた調理器具を返してほしい」と訴えていました。
今年も多くの有名人、著名人の別れがありました。彼らの遺した偉大な功績は残された我々の心にいつまでも生き続けるでしょう。今回、紹介しきれなかった方々に対しても慎んでお悔やみ申し上げます。
合掌。