灰も匂いも出ない煙草として、今、人気を集めている「IQOS」。数年前から日本では喫煙場所が特定されたり、禁煙店が増えるなどからか、煙草を辞めたい人が増え、禁煙外来なるものも設けられるほどになりましたよね。禁煙は「心理」が大きく関連していると話してくれた、都内でカウンセラーを務める臨床心理士のSさん。そんなSさんに、どんなことに気を付けるといいのか?聞いてみました。
禁煙できない理由とは?
『禁煙とは、我慢すること』と、とらえている方はいらっしゃるのではないでしょうか?『我慢』という行動は、イライラを募らせることに繋がります。イライラが溜まれば、爆発してしまう。つまり、煙草をまた吸ってしまうという結果を引き起こしやすいのです。では、どうしたら禁煙を成功させやすくなるのか?
それは、『理解と納得』です。人間が一番気持ちよく行動することが出来るのは、理解や納得をした状況なんです。それでは、具体的にどうしたらいいのかを、お話しします。
どうして禁煙をしようと思ったのか?理由を書き出す。
健康のため、自分の周りの人のため、お金のため等々、『禁煙』をする理由は人それぞれ。どんな理由でもいいんです、自分の中ではっきりとしていれば。ただ、それが具体的でないと意味がないのです。肺がんになりたくない、妊娠したのでお腹の子のために、来年のハワイ旅行に行くので…と言ったように、具体的な理由を書き出して下さい。具体的に自分の中で認識すれば、状況を思い浮かべられることができるので、成功させようという思いが強くなります。
煙草を吸う前のシチュエーションを書き出す。
例えば、「朝起きてリビングに行って」「会社に着いて」「デスクでコンピュータを1時間以上使った後」、「食後」等々。どんな行動の後に煙草を吸ったのか?自分の行動を客観的に確認してみてください。そして書き出したものを分類、掘り下げていくのです。
掘り下げた後はどんな感情の時、そんなシチュエーションで吸っているのか?が見えてくると思います。自分の分析が出来れば、あとは対策を練ることはできますよね。例えば、「朝起きてリビングへ行き一服する」のであれば、「朝起きたらまず歯を磨きに行く」に変えてみたり、「会社に着いて一服する」ならば、「会社に着いたら一杯のお茶を飲む」に変えてみるなど、『煙草を吸う』という習慣を他の行動に変えてみてください。それが習慣化すれば、禁煙もそう遠くはないでしょう。
何かを辞めるというのは、とても難しいものですが、行動を置き換えることは取り組みやすそうですね。