今、子供たちが学校で給食を残す「残食率」の高さが問題になっているのをご存知だろうか。今回この問題について指摘したのは、生活者の意識・実態に関する調査をおこなうトレンド総研。教員や子供を持つ母親に対してアンケートを実施したところ問題が浮き彫りになりました。
小学校の「給食残し」の現状
トレンド総研ではまず小学校教員300名を対象にアンケートを実施。すると「自身の学校やクラスで、給食の残食率が気になることはあるか」という質問に約9割もの教員が「ある」と回答。さらに「10年前と比べて、偏食の児童は増えていると思うか」という質問には約8割の教員が「思う」と回答しました。
次に「学校給食において食べ残しが多い献立・食材」を質問したところ、「野菜のメニュー」が85%で一番多いという結果に。
そして、給食を全て食べられるように指導している教員も多い中、一方で「近年は、家庭での食育が不足していると思う」、「小学校入学のタイミングで、野菜が嫌いな子どもは、その後の克服が難しいと思う」という回答もあり、学校だけではなく家庭でのトレーニングを望む教員の声が明らかになりました。
以上のアンケート結果から小学校の「給食残し」の現状が判明。野菜を嫌う子供が多く、食べ残しの原因となっており、家庭での食育が求められているようです。こうした中で、現在注目を集めているのが、子どもを野菜好きにするためのトレーニング=「ベジトレ」というキーワード。今、家庭での「ベジトレ」事情はどのようになっているのでしょうか。
家庭における「ベジトレ」事情
トレンド総研では小学校入学前の子どもがいる母親300名にもアンケートを実施。「小学校にあがる前までに、子供に嫌いな野菜を克服してほしいと思うか」という質問では、92%の母親が「そう思う」と答えました。しかし一方で「子どもの野菜嫌い克服のために、何をすれば良いかわからない」という回答も8割を超える結果に。
食育への意識はあるものの、具体的にどうすればよいのか分からないというのが現状のようです。
専門家に聞く、家庭における「ベジトレ」
この様な結果を受け、栄養士・料理研究家・食コンサルタントの浜田陽子さんに、家庭における「ベジトレ」のポイントについて聞くと「現代ならではの特徴と言えるのが、『食べてもいないものを嫌がる』子どもが多い点。見た目が気持ち悪いなどの理由で、チャレンジすらしないというケースが目立ちます。まずはチャレンジのきっかけをつくることが重要です。」とコメント。
また、「『口に入れた』という実感を持たせるための第一歩としては野菜ジュースを使うのも有効です。もし野菜ジュースも難しいようであれば、料理に使うという手段もあります。ポイントは、『この料理に野菜ジュースが入っていたんだよ』ときちんと教えること。子どもに『自分の口に入った』ということを理解させることが、成功体験へとつながり、克服への第一歩になります。」と野菜の克服方法を教えてくれました。