先日、元バスケットボール日本代表であり3x3のトップリーグ 3x3.EXE PREMIER『Nature Made.EXE TEAM』で活躍中の渡邉拓馬選手が指導する「初めての親子バスケットボール教室」が文京区で開催され、取材に伺いました。
教室には小学生親子21組42人が参加。楽しくボールに触れながらバスケットボールの基本をはじめ、スポーツと食育について考えるプログラムで、ウォーミングアップのスキップや壁を利用したストレッチなどで身体をほぐした後、ドリブル練習や4×4に組を分けたスローイン練習などを行いました。
写真)4×4のスローイン練習。2箇所あるゴール、どちらへのシュートも得点となるルール。メンバーへボールが平等にまわりやすいシステムになっている。
渡邉選手は、練習中にあまり細かい指導をせず見守るといった様子です。あえて自主性に任せて強要しないように指導しているそうで、「味方を助ける気持ちや状況判断も育つ、それがチームスポーツの面白さ」と話し、バスケットを通じて子供たちが、自ら感じ、考えられるような練習メニューを心がけているそうです。
また、これからの季節、特に夏場の体育館は室温が高くなり脱水症状をおこしやすくなることを示唆し「練習に夢中になるとつい水分補給を忘れてしまいがちになる。こまめに水分補給と休憩をとるようにしてほしい」と指導しました。
写真)保護者も運動不足を解消しながら、日ごろできない子供とのコミュニケーションを楽しんだ。
描いた絵がレシピに!Sketch Cookで楽しい食育
バスケットボール教室の後半では、大塚製薬株式会社が作成した子供の“おえかき”を通して食や栄養のことを楽しく知ることのできる食育アプリ『Sketch Cook(スケッチクック)』を使い、スポーツと食事(栄養)との関係を学びました。
画用紙に描いたご飯を画面に取り込むと、アプリが絵のレシピや栄養について紹介するシステムで、例えばハンバーグを描いたならば、栄養素が偏らないようスープをつけるなど、足りない栄養バランスを補う献立などを知ることができます。お絵かきや食育を通して親子のコミュニケーションをはかることもできますね。
写真)「お母さん、何を書けばいい?」「練習が終わった後に食べたいメニューはどう?」そんな会話をしながらクレヨンで描いていた。
子供の食べ物に対する好き嫌いを無くすコツについて聞かれると、渡邉選手は自身の子供時代をふりかえり「牛乳が苦手で、両親からはコップ1杯で良いと言われていた。嫌いなものがあるなら無理に食べる必要はないと思っている」と話し、プレッシャーを与えるよりも、まずは嫌がらない方法で食べ物に興味を持ってもらうことが大事ではないか?とアドバイスしました。
写真)「両親が気を使ってくれてバランスよく食べてきたため、スポーツ選手としての今があると思っている」。ご飯を作ってくれる人への“ありかとう”の気持ちを忘れずに!と渡邉選手
主催した文京区アカデミー推進部スポーツ復興課によると、プロスポーツ選手らとふれあいながら学べるスポーツ教室は人気があり、ときに定員に対して4倍~5倍の応募があるそうです。
今回、渡邉選手のバスケットボール教室を見学して、ルールや技術だけでなく食育という観点からスポーツを学ぶなどの取り組みが新鮮で、内容にもメリハリがあり、親子で楽しめるプログラムだと感じました。
渡邉選手は「自分の活動を通してスポーツと食に興味を持ってもらえると嬉しい。今後も、さまざまな場所で開催していきたい」としています。