コレって洗脳?マインドコントロール?なぜ人を意のままに操ることができるのか

2017/04/09
naokiyama

最近でいえば、女優・清水富美加さんの出家騒動が“洗脳”ではないかと話題になりました。芸能人だけではなく、ネットワークビジネスにはまる若者が急増するなど、傍目から見ていると、なんとも怪しい雰囲気がプンプンしますが、そもそも「洗脳」や「マインドコントロール」の違いとはいったいどこにあるのでしょうか?

 

 

似て非なるもの、「洗脳」と「マインドコントロール」はココが違う

 

臨床心理や精神医学に精通している専門家によれば、人は「思考」「感情」「行動」の自由を奪われると、自身で正常な判断をすることが難しいといいます。そして、両者には次のような違いがあるんだとか。

 

『洗脳』

薬物や暴力を使うことで、相手の心を支配すること

 

『マインドコントロール』

 

心の隙間に入り込み、情に訴えかけて相手を操ること

 

つまり、「洗脳」とは、薬物や暴力によって、相手の思考や感情、行動を意図的に制限する。一方で、「マインドコントロール」は相手が弱っているとき、たとえば、仕事で大きな失敗をした、恋人と別れた、大切な人が亡くなったという傷心中のタイミングを狙ってくるのです。過去には、タレントの辺見マリが自身の洗脳騒ぎを、テレビ朝日の番組『しくじり先生』で暴露、驚愕エピソードの連発に話題となりました。このように、相手を騙そうとする人は、相手の“心の隙間”を見つけて、巧妙に支配しようとするのです。

 

マジメだからこそ危ない?女子学生が変わってしまった瞬間

 

筆者の友人でもネットワークビジネスにはまった女性がいました。大学生だったその子はあまり異性に関心がなく、同性の友達ともものすごく仲がいいわけではない、ただただマジメな印象の子でした。だからか、ネットワークビジネスにはまり、さらにはあまり親しくもないバイト仲間に熱心に商品をアピールしていると聞いたときは、驚いたものです。

 

興味本位で一度話を聞いてみましたが、たしかに熱心というか、商品の良さに惚れ込んで、疑う余地がない状態。自分で考えてしゃべっているのだけれど、本当に自分の意思なのか、疑ってしまうような感じでした。今思えば、その子がマジメで、人の言うことを信じ込みやすいタイプだったからこそ、つけこまれてしまったのかもしれません。

 

オレオレ詐欺や自己啓発セミナーなど本質は一緒?

人によっては、こうした「洗脳」や「マインドコントロール」と自分は無縁と思うかもしれません。ですが、相手を騙そうとして、近づいてくる人の本質は一緒なのかもしれません。オレオレ詐欺は判断力が低下してお年寄りの「情」を、結婚詐欺は早く結婚したいという「不安」を、高額商品を売りつける自己啓発セミナーは「コンプレックス」を狙ってきます。騙されて“大切なモノ”を失わないためにも、必要最低限のことは知っておいた方が身のためといえるでしょう。

 

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naokiyama

元雑誌の編集担当。政治、経済等。

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