「今年は絵本で初笑いを!」と、お考えのあなた様に…大人も笑えるではなく、大人が笑える関西弁の大人絵本をご紹介!
まずは、かなり異色の絵本!! こちらから。
出典:https://twitter.com/BronzeShinsha
こちらは、ソウル在住のぺク・ヒナさんという絵本作家さんの「天女銭湯」でございます。実は今、日本同様、韓国でも絵本が盛り上がっているようです。
世界的にも評価が高まっていて、なかでも注目を集めているのが、このペク・ヒナさんなのでございます。デビュー作の「ふわふわくもパン」は、2005年にボローニャ国際絵本原画展で受賞、世界各国で翻訳され40万部も売り上げております。
まず気になるのは、その作風。
舞台は銭湯。登場人物は全て自作の粘土人形。その人形を使い、貸し切った銭湯でカメラ撮影。これまたご自身で撮影。その撮った写真で絵本を構成するというスタイル。写真集のようにも思えますが、テキストも物語もちゃんとあります。絵本には写真絵本というジャンルがあり、そこに属するかと。
ちなみに、ご自身は自分のことを「いたずら人形作家」と呼んでいるそうです。
ちなみに、ペクさんはカリフォルニア芸術大学でアニメーションを学び、アニメ制作の手法をもとに独自の撮影スタイルで絵本作家になったんだそうです。さらに、驚いたことに、ぺクさんは、この作風からは想像できない、かなりのペッピンさんらしい。(興味をお持ちの方、ぜひ画像検索を…)
それにしても、この絵本の表紙はどうしたものか…。
出典:http://www.bronze.co.jp/tennyo_sento/
日本版が出版された際の宣伝文句が「韓国発!なつかしくて、ちょっと不思議なおふろ絵本」
…はたして「ちょっと」というレベルなのであろうか…、小生は相当なレベルで不思議だと感じておりますが。ていうか、子供は怖がって手にしないのでは…と思ってしまいます。「安心してくだい。売れてますよ!」(とにかく明るい安村風)大人はもちろん、子供にも人気だそうです。
もう、ストーリーはいいですかね… とにかく絵のインパクトが痛烈でございます。
一応、簡単にご紹介すると、あかすりの後に買ってもらえるヤクルトを楽しみに昔ながらの古い銭湯に通う女の子が、その銭湯で羽衣をなくした天女に出会うというお話でございます。
とにかく、絵本の絵(写真)を見ているだけで、笑える絵本でございます。
翻訳を担当したのは、大阪生まれの人気絵本作家、長谷川義史さん。ユニークで関西弁を使った絵本作家さんとして有名な方でございます。大人気絵本「ちがうねん」、「どこいったん」などのジョン・クラッセンさん作品の翻訳も担当されております。もちろん、こちらも関西弁でございます。
出典:https://twitter.com/book_athens
そんな長谷川さんの関西弁の訳が、ぺクさんの超ド級の粘土キャラクターたちにすこぶるハマっております。PVも出回っているようなので、ぜひ一度、お試しくださませ!
そして、もう一冊。というかもう一人。
こちらは、岡田よしたかさんの「うどんのうーやん」。ネット上で「ヤバい絵本」などと話題にもなっていたのでご存じの方もいらっしゃいるかも…。絵本好きな方はもちろんご存じだと思いますが、どストレートな関西弁絵本でございます。
物語は、お店が忙しく、自分自身で出前に出かけることになったうどんの物語でございます。
うーやんは、出前の途中、からからのメザシやふにゃふにゃの絹ごしどうふなど、個性強めなキャラクター達と次々に出会います。そんなキャラアクターたちとの絡みもとても笑えます。
なにせ、うどんのくせに腕組みをするワ、川を箸を持ってどんぶりで渡るワ、もうやりたい放題でございます。さらに、関西弁だけでなく、粋なやりとりも大阪っぽい!ボケには、必ずツッコむことも忘れない、そんな大阪の香りプンプンの絵本でございます。
ちなみに、岡田先生が他にどんな絵本を描かれているのか調べてみると…「こんぶのぶーさん」、「ちくわのわーさん」、「ぼくはうまいもんフライヤーズ」、「くしカツさんちはまんいんです」、「はずかしがりやのバナナくん」…きっと、「うどんのうーやん」で味をしめたのでしょう。
お時間があれば、コンプされてみてはいかがでしょうか…。