テレビなどでよく目にするアルコールの新ジャンル「第3のビール」。その中で“高アルコール”商品の注目度が高まっています。生活者の意識・実態に関する調査を行うトレンド総研も、2018年の飲料トレンド「高アル新ジャンル」に着目。先月「缶入り高アルコール飲料に関する意識・実態調査」を20代〜50代の男性500人(週に1回以上、自宅でお酒を飲んでいる人)に実施しました。
まず、「現在、缶入り高アルコール飲料が増えていると思いますか?」という質問には約8割が「そう思う」と回答。実際に飲んだことがある人も81%となっており、多くの男性が「高アル新ジャンル」を認知していることが伺えます。
では、缶入り高アルコール飲料の魅力とはなんでしょうか。調査によると「飲みごたえがある」と答えた人が最も多く82%。「飲んだ時の満足感がある」と感じた人も80%となっています。
具体的には「アルコール度数が高いと、パンチや飲みごたえがある(51歳)」、「グラスに移して氷を入れても、お酒が薄くなりすぎない(46歳)」、「味が濃く感じられて、一口一口に満足感がある(37歳)」といった声がありました。酒好きの皆さんは、缶入りといえどしっかりとお酒の味を堪能したいようです。
ちなみに「今後飲んでみたい(または飲み続けたい)缶入り高アルコール飲料」は圧倒的に「ビール類」でした。
元日経トレンディ編集長、北村森氏が人気の理由を紐解く
消費トレンドに詳しい商品ジャーナリストで、元日経トレンディ編集長としてメディアにも露出している北村森氏も、「第3のビールカテゴリー」に注目しています。
「昨年6月に施行された改正酒税法により、ビール類が値上がりしたことで、価格の安い新ジャンル自体への注目が集まっていますが、中でも高アルコール系の新ジャンルは2017年からすでにヒットの兆しが見られる」と北村氏。
その背景は、トレンド総研の調査にも見られた通り、「満足感の高さ」にあります。アルコール度数の高い商品は味が濃く感じられたり、飲みごたえがあるので満足感がアップしやすいわけです。
また、北村氏は「ブームが続く肉メニューや塩気が多い食べ物と合うというのもポイントの1つ」と分析。確かにガツンとくる料理に負けないお酒を飲みたくなりますよね。
今後の市場動向については「(消費者は)一定の出費に対して、どれだけの満足感や驚きを得られたかを重視する傾向にある。消費者の満足を追求した商品が、高アル新ジャンル市場を制していくと考えられる」と話していました。
数年前はカロリーゼロや糖質オフなど、何かをOFFするがトレンドでした。しかし近年、高アルコールやポリフェノールプラスなど、何かをONする商品が人気を博しています。消費者を満たす価値観の探求が、ヒット商品の種となりそうですね。