歌舞伎役者・市川海老蔵さんが妻・麻央さんの乳ガンを公表。検査の大切さを思い知らされましたが、実はその乳ガン、男性もかかる病気だと知っていますか?
そこで、いろいろと調べてみました。乳ガンの多くは、母乳を分泌する“乳腺”に発生します。乳ガンに関する最新の臨床症例を掲載した、乳ガン研究誌『乳癌の臨床』でも度々、男性乳ガンの症例が掲載されており、男性にも乳腺は存在するため乳ガンは発生し得ることが分ります。
今や乳ガンは女性のがん患者数第1位(死亡数とは違います)。女性の12人に1人に発症されるとされ、国立ガン研究センターの2015年の患者予測は約9万人、そして男性はその1%弱で約600人という予測がありました。
「なんだ少ないじゃん」と思うかもしれませんね。
ではこの数字はどうでしょう?
乳ガン患者の男性死亡者数
【2012年88名 2013年82名 2014年63名】
これも「少ないじゃん」と思うかもしれません。
でも、なんと死亡率は女性の約3倍!
つまり男性が乳ガンになると女性より死亡リスクが高まるということになります。これは驚きでした。
理由は単純です。男性は、男も乳ガンにかかる事実を知らない人が多く、発見・治療が遅れるケースが多いから。女性は定期的に検査を行う人が多いので死亡に至るケースも抑えられているんですね。
こんな症状ありませんか?
男性は乳がん検査を受けることはまずありませんから、自分で異変に気付くかどうかが早期発見の鍵になります。その特徴は【しこり】があるかどうか。基本的には女性と同じです。
○乳輪の下
○脇の下から胸にかけての外側ライン
触ってみてコリコリした【しこり】があったら疑って下さい。男性は女性に比べて脂肪が少ないため目立つケースが多いとか。“ポコ”っと突起したしこりがあって、しかも痛みを感じたら一度病院で診てもらうことをおすすめします。
どんな男性が乳ガンに?
基本的には“乳腺の発達”から乳ガンは発症するそうです。そうなるには様々な要素が考えられるとのことですが、まず『男性ホルモンの減少』。年齢が高くなればなるほど症状がみられ、60歳以上から発症する人が多くなります。ただ若年でも、食の欧米化が原因という研究もあれば、薬の副作用からくるケースも有り様々です。
遺伝性も関係するそうです。
例えば、親族内に乳ガンを発症した女性が居る場合、男性でもその遺伝子を受け継ぐ可能性があることがわかっているそうです。
気付けない人に伝えて
この記事で言いたいことは、決して専門的なことではなく、ここからです。
男性も乳ガンになるなんて、例えば団塊の世代やその上の年代の方はなかなか信じがたく、また詳しい情報も伝わっていないと思います。
この記事を見た方、おじいさんや、お父さんの胸に違和感のあるしこりがあるかどうか聞いてみてください。調べてみてください。そして、もし疑わしかったなら、「男にも乳ガンはあるから検査しようよ」と声をかけてみて下さい。
実際“男が乳ガンなんて恥ずかしい”と言って診てもらうのを拒む人は多いそうです。
胸に変なしこりがあっても、“年を取ればこんな脂肪の塊くらいできるだろう”と思って事態に気付かないなんて十分考えられます。するとどうなるか?乳ガンの発見が遅れると、転移して他の部位へガンを及ぼすケースもあるそうです。
男性の乳ガンは、実はコワイんです。