試験や眠れない夜など、学生時代ラジオにはまった人も多いはず。
中には、番組を彩る『ハガキ職人』に憧れて、一度か二度送ってみて、ラジオの前でずっと待っていたのに一度も読まれなかった…という人も少なくないのでは!?
一体、常連のハガキ職人と何が違うのか今でも気になるところ。そこで、今回は実際にハガキを選んできた現役ラジオディレクターにハガキを読まれるコツを訊いてみた。
今回話しをしてくれたのは、2人のディレクター。業界歴7年のHさんと業界歴8年の女性ディレクター・Aさん。
Hさんは、スポーツから情報バラエティ番組など、Aさんも、情報番組やニュース番組、音楽番組などをFM・AMの枠を超えて幅広く担当。
2人ともいろんなタイプの番組を経験し、マルチな才能を持つディレクターさんたちだ。しかもADからたたき上げてラジオの世界の裏おもてを知り尽くした人たち。
そこで、早速ラジオ投稿について疑問をぶつけてみた。
ハガキ・メールが選ばれるしくみ
「番組によりますが…」と前置きしたAさん。「意外とディレクターは最初に目を通さないですね」
「まずADが目を通して選別した後に、構成作家がさらに選別する場合と、構成作家が直接すべて目を通して選別するケースとあります。どちらにしても基本的には誰かしらすべての投稿に目を通します」
人気番組だと1回に付き何千枚以上の投稿が来ることもあるそうだが、全て読んだ上で採用を決めているのだとか!採用されないと「きっと常連以外読んでもくれていないのかな…」と思いがちだが、番組を面白くするためにはリスナーさんからの投稿は大事な生命線。時間をじっくりかけて必ず目を通しているので、内容次第で誰でも採用される可能性があるとか。
手書きFAXやハガキは有効!
最近の投稿の主流はメール。
オンタイムで送れるのが手軽だが、そんな中でやはり昔ながらの手書きのFAXやハガキはやはり目を引くのだとか。
「同じくらい採用したくてどちらか迷って二者択一の場合は、どうしても心のこもった手書きを選んじゃいますよね」とHさん。
但し、「達筆すぎたり、クセ字・乱雑な字で書かれたり、FAXの字が薄くて読めないとなくなくボツにすることも…」(Hさん)というからには丁寧な字で書くように心がけたい。
送るタイミングにもコツがある!?
選ばれるしくみを聞いたところで、ふと疑問が…。かなりの数の投稿にひとつひとつ目を通しているということは、もしかして送るタイミングにも採用されるコツがあるのでは?
「実は…その通りなんです!」とHさんとAさんが口を揃えた。
「その日の投稿テーマが決まっている番組の場合、オンエア当日よりも前々から送っておいた方がよいですよ。大体一週間前にはテーマが決まりますから、そこから考えて前日までに送っていただくとよいですね」とAさん。
その理由は「やはり手元に長くある分、じっくり読めることと、差し込むタイミングを考えてあげられること、オープニングからすでにパーソナリティが読む準備ができること。そうすると途中から来た投稿より、読まれる機会が多いですからね」
そして初心者に伝えたいことは「メールの場合は、件名にテーマ名を入れることを忘れないでください」とHさん。
いろんな種類のメールが届くので“どの内容についてのメールなのか”が件名を見ただけで分かれば、パーソナリティに届くタイミングが早くなるのだとか。なるほど、ネタの内容だけでなくタイミングが大事とは…意外とビックリしますね。
送るタイミングについて教えてくれたところで、前編はいったん終わり。
後編は、いよいよ採用されるネタのコツについて教えてもらう。