ディープな「好き」を貫けば仕事になる!

2019/03/27
内藤 みか

仕事について迷いがある時に、しばしば目に入るのは「好きを仕事にしよう」という言葉。確かに好きなことを仕事にしたら、毎日が楽しそうです。けれど、好きなことをどうやって仕事にしたらいいのかわからない人や、そもそも自分がどんなことを好きなのかわからない人も。自分の好きを見つける方法とは、なんでしょうか?

どうしても譲れない好み

まず私の例なのですが、私は年下の男性が好きなんです。理由なんてなくて、本能で年下の男性に目が行ってしまい、いいなあ〜と思ってしまうので、一種のフェティシズムなのかもしれません。1990年代、私が作家としてデビューした頃は、年下男性との恋愛小説はほとんどなく、あっても売れないと言われていました。

どうしても年下男性との恋愛を書きたかった私は、ひたすら年下を書きたいんですと言い続けました。すると時代が味方してくれたようで、年下男性と年上女性のカップリングが統計上もどんどん増えていき、ニーズが出てきたんです。おかげで今は思いきり年下男性との恋愛が書けますし、年下男性好きと言えば内藤さん、と思い出してもらえるようにもなりました。

人とは違うこだわり

このように、流行とは関係なく、ひたすら自分が好きで好きでたまらないものがあるのなら、それが自分自身の「好き」であることは間違いありません。そしてそれを仕事に生かせば、同じことを好きでたまらない人たちが共鳴してくれるので、強い支持を得ることもできるのです。

自分がとてもハマっていることというのは、絞っていくと見えてくるものです。例えば映画が好きという人は大勢いますが、その中でもどのジャンルにこだわりがあるのか自分の趣味をリサーチするのです。例えばですが「自分はサッカー映画ばかり観ている」と気づいたら、SNSでサッカー映画について解説するなどして、自分の好きをどんどん発信してみましょう。思いがけないつながりやチャンスができるかもしれないのです。

自分だけのテーマを持つ

『PHaT PHOTO』2013年7-8月号では、個性的なテーマを持つ3人のカメラマンに取材をしています。オリジナリティに溢れたテーマを持っていて、1人目は道端で酔っ払って寝てしまった人を、2人目はカプセルアパートという、押し入れみたいに狭いシェアハウスの住人のそれぞれの部屋を、3人目は震災後に東京に避難した両親の生活を、撮り続けているのです。

そこには、その人でなければ撮れないような、強いテーマ性がありました。どうしてもこの写真を撮りたいと本人が思っているので写真からメッセージが感じられるのです。

 

こうしたマニアックとも言えるオリジナリティーはコンテンツになりつつあります。最近はクイズ『99人の壁』(フジテレビ)というテレビ番組もあります。カピバラ、モンブランなど、何かひとつに詳しい人たちが集結し、ニッチなクイズで競い合うのです。優勝賞金は100万円! ディープな好みこそが職業や収入にも結びつく流れは、今後さらに高まっていくことでしょう。

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内藤 みか
この記事を書いた人

内藤 みか

作家/脚本家/イケメン評論家。著書80冊以上。ケータイ小説時代から電子書籍の自著も多数。脚本担当のラジオドラマ『婚活バスは、ふるさとへ』(YBS)が文化庁芸術祭優秀賞&日本民間放送連盟賞優秀賞。 ツイッター https://twitter.com/micanaitoh ブログ https://plaza.rakuten.co.jp/micanaitoh/

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