近頃、投資に興味があるという20代が増えているという話は聞きますが、日本人で20代で投資をしている人はまだ1割未満。特に20代男性に比べて20代女性の投資経験は非常に少ないのです。これはなぜでしょうか。
早く投資を始めて失敗に慣れる
私の息子は中学生の頃にお年玉で株式投資を始めました。あらかじめ入門書や株式投資がテーマの漫画を読んで仕組みをわかっていたので、お年玉でも購入できるようなかなり格安の低位株を狙って購入したのです。
しかし、結果は残念ながら彼は儲けることはできませんでした。以来、懲りてしまったのかもう投資をしていません。けれど若いうちに実際に投資を経験しておいたほうがいいと私は思っています。失敗しても学び直してやり直すチャンスはいくらでもあるからです。
老後からのスタートでは心配
退職金をいきなり運用しようとする人がいますが、それは心配です。投資は成功することもありますが、失敗して元本割れしてしまうこともあるからです。どういうところに着目し、どういうことを調べて投資をするかは、ある程度経験を重ねないと見えてこないことも多いのではないでしょうか。
そういう意味では中学生でリアル投資体験をした息子は、ある程度損得のメカニズムもわかっただろうし、多少の勘は養えたのではないでしょうか。また、いきなり大金を動かすのではなく、お年玉というささやかな額で経験したことも、良い練習になったはずです。
20代投資女子はわずか2%
『Cancam』2021年9月号には「20代からのお金のハナシ」という記事があり、20代女性100人に投資についてのアンケートもされていました。それによると、投資に興味がある人は68%もいるのですが、実際に始めている人はわずか2%と驚くほど少なかったのです。
対して20代男性で投資をしている人はその倍以上の5%(平成30年「証券投資に関する全国調査」調べ)。それでも1割にも満たないので、20代にとって投資はハードルが高いものなのかもしれません。
社会の流れを身近に
投資にも色々な種類のものがありますが、社会情勢によって値が動くもの。たとえば好きなレストランの株式を購入したら、その店舗だけでなく、飲食業全体のニュースにも興味が行くはずです。投資をすることによって、社会や経済の動きに敏感になり、世の中をより身近に感じられるようになるのです。
投資をすることによって視野が広くなるメリットもあります。生活に精一杯でなかなか投資に回すお金がないという人もいるかもしれませんが、最近はショッピングした時に得たポイントで投資ができるものも。投じたポイント相当額がどう変化するかを観察すると、社会勉強になるかもしれません。