「原点に愛とリスペクトを持って、監督が新作に必ず自分の新たな定義を持ち込むという作品群は他には『ゾンビ』映画にちかいと思っています。まとめて見ることで1本1本の作品を超えた映画愛が感じられますよね」
―― 7月29日公開の『シン・ゴジラ』で初めてゴジラデビューされる方もいると思います。ゴジラシリーズの特筆すべき部分はどこでしょう?
「まず1つは東宝の特撮技術ではないでしょうか。スティーブン・スピルバーグ、ジョージ・ルーカス、ジェームス・キャメロン、ティム・バートンなど、ハリウッドの巨匠達にも影響をあたえた特撮の神様、円谷英二が繰り出す映像と、その後の日本お家芸となる“着ぐるみ”の迫力です。『シン・ゴジラ』は、初のフルCGゴジラと聞いていますが、それは、それで楽しみですね」
―― ゴジラは、日本の特撮を振り返るのにふさわしい作品ですね。
「まさに、その通りで。DVDでは特撮の歴史をたっぷりと観ていただけると思います。そして、もう1つは『ゴジラ』作品の背景にあるメッセージですね。単なる怪獣映画で終わらず、環境問題が見え隠れする社会派ドラマでもあるという点です」
―― 第1作が制作された1954年といえば、衝撃的なビキニ諸島の水爆実験の年ですね。
「1作目のスタッフは戦争を体験した方々です。わたし達が想像する以上にビキニ諸島と第五福竜丸の事件が制作に影響しているのではないでしょうか?その後のシリーズでは、主人公のゴジラ以外にも、都市近海に堆積していたヘドロや汚染物質と結合した怪獣へドラや、放射能廃液でエビが巨大化した凶悪新怪獣エビラなどが登場し、環境問題を匂わせています」
―― まるで“祟り神”のようですね。
「やたら建物を破壊するのは、高度経済成長への戒めなのかもしれせんね。もっとも、初めの頃は破壊されたビルのオーナーから苦情がきたといいますが、シリーズ化され人気が出でると、うちのビルも破壊してくれ!なんて声もあったらしいですよ」
―― 一方で、子ども達に愛されるゴジラもいるわけですが…ちなみに映像特典で、初のTV放送のソフト化もあると伺いましたが?
「1997〜1998年にテレビ東京系で放送された『ゴジラアイランド』全256話を各巻5〜6話収録しているのと、1972年~1974年に日本テレビ系『おはよう!こどもショー』内で放送された「行け!ゴッドマン」と「行け!グリーンマン」のゴジラ怪獣登場エピソードを初ソフト化しました。ゴットマンとグリーマンは、東宝特撮班が制作に関わっていて、ゴジラシリーズの怪獣が登場するんですね」
―― 『東宝チャンピオンまつり版』も懐かしいですね!
「『東宝チャンピオンまつり版』と『海外公開版』は、DVDコレクターズBOXでは初出しです。『東宝チャンピオンまつり』は1969年~1978年にかけて子供向けに興行を行ったシリーズで、春休みや夏休みの時期に合わせてアニメ作品などと一緒に公開していたものです。40代~50代以上の方は、とくに懐かしく思われるのではないでしょうか」
―― 最後に、全国のゴジラファンの方にメッセージをお願いします。
「今回、復刻に取り組んだゴジラ映画にまつわるさまざまなチラシ・ポスターをふくめ、見て、聞いて、触れて、その時代の“感触”までもが楽しめるシリーズになっています。オールドファンにとっても、『シン・ゴジラ』を観て新しくファンになった方にとっても、『ゴジラ』の魅力を再確認できるDVDコレクションBOXです」
なんといっても、全巻購入者特典はマニアの間でも復刻不可能といわれた『3シートポスター』を手に入れるチャンス!ゴジラファン垂涎のお宝アイテムがつまった『ゴジラ全映画DVDコレクターズBOX』をぜひ、手に取ってみてはいかかだろうか。
講談社『ゴジラ全映画DVDコレクターズBOX』全51巻(予定)
7月12日(火)より発売
創刊号は、特別価格890円(税別)
1954年『ゴジラ』の本編&予告偏に加えて豪華11大コレクションが封入
復刻版 パンフレット
復刻版 半裁ポスター
復刻版 スピードポスター 他
映像特典として『コジラアイランド』第1~5話を収録
通常号本体は1850円(税別)で隔週火曜日発売