約2年半後と迫った2020年の東京五輪。決定から開催に伴うレガシー効果や雇用、観光客の増加などにより、経済効果は約32兆円といわれています。しかし日本にとっておいしいことだらけではないようで、想定される治安の悪化などは大きな悩みの種のようです。
さらにピントを絞るとわれわれ陰キャに深刻なダメージを与える規制が、すでに始まっています。そこで今回は、五輪による清浄化という聞こえのいい言葉の裏に潜む陰キャ迫害について紹介したいと思います。
パチンコ、パチスロ店が悲鳴
18年2月から風営法規制の一部が改正され施行されます。これにともないパチンコやスロットの出玉の上限が従来の3分の2に。警視庁は「ギャンブル依存症対策の一環」としていますが、外国人観光客にとって不健全というイメージのあるパチンコ店への締め付けとも言われています。
また、五輪に向け受動喫煙対策が強化される中、パチンコ店でも喫煙禁止、分煙に取り組む店舗が増加しています。
誤解から規制が神経質化?
2015年、国連のマオド氏が日本を視察した際「日本の女子生徒の30%が援助交際を経験している」と発言。後に通訳の誤りで13%と訂正されましたが、これを受け日本政府は「数字の根拠の開示」を求め抗議。数値を裏付けるデータはなく、マオド氏の発言は事実上撤回されたと日本政府は発表しましたが、日本の少女たちが悪い意味で海外メディアの注目を浴びてしまいました。
この誤解が少なからず影響してか、以下のような規制に拡大していきます。
アイドルのグラビアが自主規制
良し悪しは置いておいて、かつては中学生アイドルでも水着姿を見ることができましたが……、一部の芸能プロダクションは18歳以下のアイドルがグラビア撮影する際、水着着用をしない方針になったんだとか。これは一部なので、この方針をとらないプロダクションもあるため、自主規制のあおりを食ったアイドルにとってひとつ活躍の場を失ってしまったことに。
この方向転換に困惑するアイドルもおり、水着を着たい子が残念がる発言をする子もいます。この動きも少なからず五輪の影響があるといわれています。
セクシー産業が大打撃
クリーンな東京を目指す中、一部のコンビニが自主的に成人向け雑誌の販売を中止しました。どうやら諸外国では一般の小売店で成人向け雑誌を販売するのは珍しいようで世界水準に合わせたかたちに。
またセクシービデオプロダクションの摘発や海外にサーバーのあるうっかりモザイクをかけ忘れた成人動画サイトのグループ社員が逮捕されたり(※行為が日本で行われていたための逮捕らしい)と、こちらも締め付けが強くなってきています。
これまでグレーとされてきた“行為”ですが、一部報道によると警察は行為そのものをなくし、ソフトな表現にまでレベルを落としたいという思惑があるそう。これも五輪へ向けた浄化の一貫だそうです。
2020年、コミックマーケットの行方
参加者50万人を超え、経済効果180億円といわれる同人誌即売会「コミックマーケット」。毎年お盆と年末に行われますがその夏コミが危機に。長年東京ビッグサイトで行われてきましたが、19年4月から一部、20年4月から9月まで五輪のメディアセンターとして使用されることが決定。このため展示会として使えなくなりました。
その年の夏コミ開催は別会場案や小規模会場の分散開催などが検討されたようですが結局、東京都が調整。20年の夏コミは同会場でスケジュールを前倒ししゴールデンウィークに開催することが決定。伝統の夏コミが春に開催されることになりました。
悲報:ウェイ系が大好き『花火大会』も中止
開催回数27回を数え、72万人の観客を動員していた『東京湾大華火祭』が2015年を最後に休止状態に。これは観客を収容するメーン会場が五輪の選手村になるため休止せざる得なくなりました。夏の楽しみをひとつ奪われたかたちで、いまだ再開予定のアナウンスはありません。
さて、五輪開催の裏には、このような悪影響を受ける業界もたくさんあります。世界水準に合わすのもいいですが、すべての都民が喜んでいるわけではないので、緩めるところは緩めて欲しいものです。