映画『わたくしどもは。』の完成披露舞台挨拶が4月25日に都内で実施され、W主演の⼩松菜奈、松⽥⿓平、そして富名哲也監督が参加した。
名前も過去も覚えていない女性・ミドリ役の小松。満席の観客を前に「2年前に佐渡島で撮影した作品です。やっと皆様に完成を報告することが出来てとても嬉しいです」とニッコリ。
不思議な運命に導かれるようにミドリと出会うアオ役の松田も「今日はありがとうございます」と緊張気味に挨拶。現世と来世の間の不思議で神秘的な世界観を映像化した富名監督は「ようやくこうして完成披露試写が出来ることに感無量です」と頭を下げた。
W主演の小松と松田は意外にも初共演。松田の印象について小松は「龍平さんには無口なイメージがあったけれど、喋る間だったりツッコミどころが沢山あって、常にボケてきて面白い人でした。現場でもフランクで優しくて常にどんと構えているので安心感がありました」とイメージ一新。これに松田は「ボケようと思っているわけではないけれど、気づいたらそういう風になるだけ。そこに小松さんはすかさずツッコんでくれるので助かっています」と照れていた。
一方、松田は小松について「素敵な方だなと思いました。船で佐渡島に行った際も鞄一つでフラッと小松さんが一人で来て。フットワークが軽くてすがすがしい人。役とプライベートの隔たりがない感じがあって、来た瞬間からカメラが回ってもいいくらいの素敵な存在感がありました」と凛としたオーラを絶賛していた。
そんな主演二人について富名監督は「お二人とも気さくな方ですが、近寄りがたい神秘的な雰囲気があった」といい、本編初お披露目の場で緊張しているのか「基本的に小松さんの目を見ることが出来ません」と謎に照れて笑いを誘う富名監督だった。
演じたミドリについて小松は「セリフや所作、目の動きなど、ちょっとしたところに“わたくしは”感を表現することを意識しました。特殊な役柄ですが、佐渡島の土地に降り立って佐渡島の歴史を知ったりすると、その寂しい空気も手伝ってこの物語自体とても合っていると感じました」と分析。アオを演じた松田も「すでにこの世にいない人の話ですが、中でもアオは自分が死んでいることに気づいているキャラクター。自分が死んでいてすべてを現世に置いてきた空っぽの魂でいると、息をするのも苦しくて芝居していて苦しいなという気持ちになった。そんな役作りを通してミドリが大きな希望になって、最後の方はミドリだけを見ていました。それだけが自分がここにいる理由だと思って」と役柄を深く理解していた。