野球が熱い今春!個性的な助っ人外国人ファイル

2017/03/24
南城与右衛門

この春は、例年通りのペナントレース開幕に加え、WBC開催と大盛り上がり必至の野球界。前回、『地雷助っ人』を紹介しましたが、今回は、いい人、徳の高い人、日本が好きで、日本野球をリスペクトしている『聖人助っ人』を紹介します。

ジェイソン・スタンリッジ投手(ソフトバンク~ロッテ)

Instagramより @standridge55

 

阪神にグリーンウェル選手というトラウマ助っ人がいましたが、彼は「神のお告げ」と話しアメリカに帰っていきました。一方で、「神のお導き」と話し来日したのがスタンリッジ投手。ソフトバンク時代、同僚のサファテ投手と東日本大震災復興支援財団に協力。200万円の寄付をしています。

 

また、神戸の児童養護施設から女の子を養子として迎え、2人の自身の子と同様に愛情を注いでいると言います。彼は、いつかその子に「神様が僕たちを引き合わせてくれた」「君を迎えに日本に来たんだ」と伝えると語っています。

 

ボビー・ケッペル(日ハム)

 

助っ人史最高の聖人と称えられるケッペル投手。そのいい人エピソードは枚挙にいとまがありません。東日本大震災の際には、1週間も涙を流し悲しみ、すぐさまチャリティーに対応。当時、日本を離れる外国人が続出する中、彼はとどまり続け被災者にスピーチを送りました。また記者に対する対応も紳士で「1年間取材してくれてありがとう」とわざわざお礼。そして故障明けの登板後、スタッフに「自分もこうして投げられたのだから、次は君の番だ」とリハビリ仲間だった斎藤佑樹投手にボールを託したそうです。

 

ちなみに一人焼肉が好き。

 

ブライアン・シコースキー投手(ロッテ01~西武11)

 

日本ではのべ5球団、10年間、中継ぎを務めたシコースキー投手。彼が他人の悪口を言っているところを見たことが無いと言われるほど誠実な人物。しかし、05年巨人時代、同僚のミセリ投手が全く実績を残せずシーズン序盤で解雇。その直後、楽しそうに浅草観光していたミセ投手リの姿が報道されると、「クビになって観光なんてとんでもない。外国人の恥」と一刀両断していました。

 

また、通訳がボロボロの靴を履いているのを見つけ、翌日、新品をプレゼントしたそうです。

 

ジョージ・アルトマン外野手(ロッテ68~)

 

レジェンド助っ人聖人アルトマン選手は、気軽にサインに応じるナイスガイ。チャリティーにも積極的で自腹でアルトマンシートを設け施設の子供らを招待しました。

 

また70年の巨人との日本シリーズで、巨人バッターが打ち上げたフライを追ってショート飯塚選手とレフトのアルトマン選手が激突。この衝撃で飯塚選手は気絶、打球は落下し転々としますが、アルトマン選手はボールを追わず、飯塚選手を抱きかかえたり、助けを叫んだり介抱。結局、このプレーでの失点が響き試合と日本一を巨人に譲りました。しかし巨人の川上監督は、このときのアルトマン選手について「ファインプレーだ」と絶賛したそうです。

 

一口聖人メモ

 

・アロンゾ・パウエル外野手(中日~阪神)…中日時代、鉄拳制裁も辞さない監督が、若手を何人も血祭りにあげているのを見てブチギレ。監督に対し「自分がそんなに強いと思うなら私を殴れ。これ以上ほかの選手を殴るのは止めてくれ」と訴えたそう。

 

・ラルフ・ブライアント(中日~近鉄)…解雇された年のファン感謝デーに飛び入り参加。最後までファンサービスを忘れず、チームとファンを愛した助っ人。

 

・ホセ・ロペス(巨人~DeNA)…元メジャー選手なのにチーププレーのためバント練習。またチームメートのため清涼飲料水を振舞う。

 

・ベン・オグリビー(近鉄)…逆転ホームランを打ち大はしゃぎ。後のインタビューで「相手投手に申し訳ないことをした。お詫びしたい」と反省。また、優勝できず残念会が催されたところ、彼の姿が見えなかったので探すと悔しくてトイレで号泣。

 

さて、最後は94年、ロッテにバリバリの元メジャーリーガー「ホール選手」とメジャーと3Aを行ったり来たりしていた「ミューレン選手」という助っ人のエピソード。

 

格の違いからホール選手はミューレン選手に「ジュース買ってこいや」とパシらせたり、ミューレン選手がしゃべっていると「しゃべんなや」と毒づき頭をたたいたり、ロッカーにいたずらしたり、日本で覚えたカンチョーをしたりいじめていたそうです。ミューレン選手は屈辱の日々を耐え「いつか這い上がる」と決意。

 

彼は努力を重ね引退後、出身のオランダ代表監督に上り詰め、2017年のWBCにも監督として出場します。一方、ホール選手は引退後、未成年にわいせつ行為をしたとして逮捕。禁固45年の刑を言い渡されました。

 

因果応報なのか、野球人生が対称的となった2人。野球に真摯に向き合い屈辱にも耐え、それが実ったミューレン選手もまた、聖人ではないでしょうか。

 

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南城与右衛門

"情報番組や誰も知らない深夜番組、ラジオなどを構成したり、ソーシャルゲームのシナリオを書いたりする、いわゆる駄放送作家。友達はPC、恋人は二次元、恩師はあらゆる漫画、といった充実した人生継続中"

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