2022年1月9日(日曜夜10:00)放送・配信スタートのWOWOW『連続ドラマW だから殺せなかった』の完成報告会が12月14日(火)都内で行われ、主演の玉木宏、共演の渡部篤郎、松田元太(Travis Japan/ジャニーズJr.)、そして権野元監督が出席した。
第27回鮎川哲也賞優秀賞を受賞した同名小説を連続ドラマ化。「俺の殺人を言葉で止めてみろ」。大手新聞社に届いた一通の手紙。首都圏を震撼させていた無差別連続殺人犯は一本木記者を指名し、新聞紙上での公開討論を要求。新たな殺人を予告する犯人に対し、一本木は報道記者として言葉の力で立ち向かう。
心に傷を抱えながらも報道に対する信念を貫く敏腕記者・一本木透役の玉木。WOWOW連続ドラマ主演は約3年ぶり。「WOWOW作品はドラマでありながら、映画的要素の強い作品が多い。そんな作品へのオファーは嬉しかった」と喜び「演じる上では41歳のちょっとしたくたびれた感じを大事にしたかった。枯れた感じが出せればいいなと、白髪交じりのヘアスタイルも今までなかったものです」とこだわりの役作りを明かした。
太陽新聞社の編集担当取締役で一本木の過去を知る吉村隆一役の渡部は「権野元監督は今や業界No.1と言われる監督。そんな彼がどんな演出手法でやっているのか、一視聴者として楽しみです」と放送に期待した。
意外なことに、玉木と渡部は本作で初共演。玉木は「お会いしたかった方だったので共演は嬉しかった」と念願の初対面に感慨もひとしおで「撮影が終わってから家族ぐるみで食事に誘っていただき、ステーキをごちそうになりました。幸せな時間でした」とプライベートの親交を報告。それに渡部は「ちょっと高いステーキをね」とジョークで、玉木も「お昼からだいぶ高いステーキをいただきました」と楽しそうだった。
そんな玉木について渡部は「久しく鋭い目つきの役者には出会わなかったけれど、彼は目が強い。それは芝居だけで出来ることではなくて、彼自身の持っている情念などが役に反映されていたのではないかと思う」と魅力を分析。気になるのは高級ランチで二人が交わした会話の内容だが「僕くらいの歳になると病院の話が多くなるけれど、玉木さんくらいの年齢だと子供の進学の話が多くなる」と渡部が明かしてくれた。
物語の鍵を握る大学生・江原陽一郎役の松田は「大御所の方々に囲まれて撮影させていただき感謝でいっぱい」と最敬礼で、初共演の玉木については「まるでジャニーズの先輩かのように優しくしていただき嬉しかった」と感謝。玉木から「人懐っこく、人を転がすのが上手い。愛されキャラであり、芝居への情熱も高い」と言われるも、権野監督からは「玉木君に『余っている服とかありませんか?』とおねだりして『お店を紹介してあげるよ』とやんわり断れれていた」との悲しい情報が。それでも松田は玉木に向かって「今度洋服をいただきに行きます!」と強メンタルでへこたれていなかった。
豪華面々をまとめ上げた権野監督は「キャラに合わせたカッコ良さや気持ち悪さを映像でどう出せるかを意識。影や暗さを映像でどう作るべきか、映像を作る上ですべて見せないことを念頭に置きました」と演出スタイルを解説した。
またドラマの内容にちなんで“ターニングポイント”について聞かれると、玉木は「18歳で上京してこの業界に入ったこと。この業界に足を踏み入れていなければ今はない。そこから世界が変わった気がする」と芸能界入りを挙げた。渡部は「ずっとターニングポイントのような気持ちでいます。常に新しい出会いがあり、いいときもあるし、マイナスから始まるときもある。毎回ターニグポイントのつもり」と初心忘れずのマインドであることを口にした。
一方の松田は「家に帰る前のコンビニで折り返しをすることがある」と“人生の転機”ならぬ“リアルな方向転換”を突然の天然告白。玉木らにツッコまれつつ「小学校の頃に書初めで『ジャニーズ』と書いた。周囲からは漢字で書けと怒られたけれど、担任の先生だけは褒めてくれた。そして無事にジャニーズに入れて、色々な方々と出会うことができた」と人生の分岐点を回想。玉木からは「有言実行したんだね!」と感心されていた。