相変わらずの「お笑い芸人」人気でございます。芸人人口も増加中でございます。そんな背景から、ご存知の通り、お笑い系芸能事務所はこぞって養成校なるものを設立。今や専門学校レベルの進学率でございます。
有名どころでいえば、1982年開校という歴史を誇る吉本興業のNSC、正式名称、「ニュー・スター・クリエイション」でございます。こちらでは、なんと!2005年から子供専門のコース「NSCジュニア」まで開講しております。体操教室、水泳教室でオリンピックを目指すのと同様、この「NSCジュニア」でお笑い芸人を目指す子供たちがいるのでございます。
体操や水泳は有名選手になれなくても、会社員になる際に必要な体力や精神力は磨かれるはずでございます。同様に、笑いのセンスも、子供がどういう分野に進もうが役に立つはずでございます。そういう意味では、英才教育としてはオススメなのかもしれません。
しかし、子供向けのお笑い教室は、まだほとんどございません。そこで、将来、子供をお笑い芸人にしたい、もしくは笑いの英才教育を受けさせたいとお考えの親御様方に、絵本専門士の小生が、お笑い基礎が身につく“お笑い教則絵本”をご紹介させて頂きマンモス!でございます。
それがこちら!
「すすめ! かいてんずし」(作・絵:岡田 よしたか)
実は、回転寿司をネタにした絵本はたくさんございます。パンダ絵本が多いのと同様、子供は回転寿司が大好物なのございます。そんな回転寿司絵本のなかでも突出して笑えるのが、こちらの絵本でございます。別格でございます。
爆笑絵本、大人も笑える絵本は、これまでにいくつかご紹介してまいりましたが、この「すすめ! かいてんずし」は、読んでいるうちに、絵本を読んでいるのか、落語を聞いているのか、漫才を聞いているのか、わからなくなってしまうのでございます。落語や漫才を聞いているような錯覚にとらわれるのでございます。
是非、その感覚をみなさまにもご体験頂きたいのでございます。それだけでは、ございません。この絵本のゴイスーなところは、お笑い教本的な側面を兼ね備えているところでございます。ネイティブな関西弁、フリ落ち、掛け合いなど、お笑いの基礎が満載、お笑いの勉強にはもってこいでございます。まさに、お笑いの「赤バイエル」なのでございます。
ちなみに作者は、以前ネットでも話題になりました「うどんのうーやん」の岡田よしたか様でございます。
岡田様の作品はオール関西弁でございます。もちろん岡田様は大阪生まれ、ネイティブでございます。岡田様の絵本の特長といえば、食べ物をリアルに擬人化したシュールな展開とテンポのいい大阪弁。ナンセンス・ユーモア絵本作家として有名でございます。
なかでも有名なのは、さきほど少しご紹介した自ら出前に出かける「うどんのうーやん」、急いでいるようで、あちこちへ寄り道ばかりの「ちくわのわーさん」、漫才師をめざす「こんぶのぶーさん」でございます。うどん、ちくわ、こんぶが主人公の絵本でございます。
他にもフライ(揚げ物)たちだけで作った野球チームがキッチン用品のチームと試合をするまでが描かれた「ぼくらはうまいもんフライヤーズ」もございます。
お子様に笑いの英才教育をお考えの親御様、是非一度、「すすめ! かいてんずし」ご体験くださいませ。
(文:N田N昌)