今日は、6月28日より公開の映画『COLD WAR あの歌、2つの心』をご紹介します。本作は、タイトルにある“冷戦”を背景に描いた、とある男女のラブストーリーなんです。2人は様々な事情で離ればなれになったり、意図的に距離を置いたり、別の恋人ができたり。でも、何度も再会するんです。昔の恋人に会っちゃうんですよ。でも、時間が経ってますから、生活や考えなど、会う度に少しずつ変わっているんです。そんな再会を何度も繰り返す2人の十数年の時間を描いたラブストーリーです。
正方形に近いビスタサイズの落ち着いた画面。エッジの効いたモノクロの映像。民族音楽からジャズなど、様々な音楽で場面を彩り、壮大でロマンティックな伝記ストーリーが展開されていきます。
先生と生徒の恋!!
最初の舞台は1949年のポーランド。国立の音楽舞踏学校。講師でピアニストのヴィクトルがオーディションを受けに来ていたズーラと出会います。アドリブ満載の歌を披露するズーラ。その美しい容姿、大人びた態度と自由奔放な雰囲気を併せ持つズーラに魅了されるヴィクトル。2人は恋人関係に。所が、ジャズなど様々な国の音楽を愛するヴィクトルは、政府に監視されるようになります。とうとうパリへの亡命を決意。2人で亡命する為、ズーラと待ち合わせするのですが、来ないんですよ!! しかたなく、ヴィクトルは1人で亡命します。
一気に時代が飛んで、1952年。とうとう歌手になり、公演活動でパリを訪れたズーラ。その劇場へヴィクトルが現れます。一回目の再会です。もうぎこちない会話、落ち着かない雰囲気なんかが生々しくて、とにかくリアル。見ているコチラも緊張してきます。それでも、お互い、関係が変わるような決定的な会話はなく、ヴィクトルは帰宅しちゃうんです。家には同棲中の女性が!!
そんな感じで、何度も時代を飛び越えて再会する様を淡々と描いていくます。2人の恋の移ろいは切なかったり、じれったかったり。どんどん2人に感情移入してしまい、何十年の話が一気に見れてしまいます。
第71回カンヌ国際映画祭で監督賞受賞!!
監督を務めるのは、ポーランド映画で初のアカデミー外国語映画賞に輝いた『イーダ』のパヴェウ・パヴリコフスキ監督。ドキュメンタリー出身らしい、芝居をじっくりと抑えたシーン演出で十何年もの男女の移り変わりを描いていきます。勿論、その背景には、冷戦下の1950年代の東と西の間で揺れ動きも。
運命論たっぷりのロマンティックな男女の恋。美しいモノクロ映像と名歌を使い、大人なラブストーリーとして綴っている本作。2018年の第71回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞したのも納得です。
映画『COLD WAR あの歌、2つの心』は、6月28日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町・ヒューマントラストシネマ渋谷ほかで全国公開となります。
映画『COLD WAR あの歌、2つの心』
監督:パヴェウ・パヴリコフスキ 『イーダ』
脚本:パヴェウ・パヴリコフスキ、ヤナッシュ・クヲウァツキ、ピヨトル・バルコフスキ
撮影:ウカシュ・ジャル
出演:ヨアンナ・クーリグ、トマシュ・コット、アガタ・クレシャ、ボリス・シィツ、ジャンヌ・バリバール、セドリック・カーン
製作年:2018年
製作国:ポーランド・イギリス・フランス合作
配給:キノフィルムズ
オフィシャルサイト:https://coldwar-movie.jp/
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