韓国から世界の巨匠になった ホン・サンス監督!
笑って、沁みる癒し系映画
本作は、講演会で地方へやって来た映画監督が、たまたま画家の女性と知り合い、別れるまでの1日の出来事なんです。
最初は、すごく単調な映画だと思ったんですよ。物語の冒頭で出会った2人が立ち話。それを延々、ワン・カットで見せていきます。それが、まるで2人の役者のアドリブのよう。段々と隠しカメラで覗き見してるドキュメンタリーみたいな気分になってきました。
そんな2人が微笑ましい。リラックスして時間と身を委ねたくなるんですね。ワン・カットの中の、ゆったりとしたズームでさえ心地よく、最高の癒し系映画でした。仕事に疲れてる方におススメの1本です。
衝撃的な2部構成
1時間くらいで終わってしまう。すると、もう一度、最初から始まるんです。同じ登場人物が、同じように出会い、同じ場所を巡っていくんです。でも、2回目は、微妙に話す内容や行動が違うんですよ。そして、全く違うエンディングへ向かっていくんです。
こちらも、1回、観ているので、「あっ、ここ、さっきと違う」だとか、間違い探し的面白さもあり、違う分岐点を向かっていくストーリーから目が離せなくなっていきます。
安定感の名演技を見せる主演2人は?!
女好きな映画監督役の主人公を演じるのは、 『シルミド』で男泣きをカツアゲしたチョン・ジェミン。明らかな下心がありながら、それをユーモラスに演じる事で好感の持てるキャラクターに構築しているのが素晴らしいです。特に、ヒロインの前で女性遍歴などをバラされていくシーンは爆笑!
主人公に声を掛けられる画家の女性は、モデル出身のスタイルの良さ&童顔フェイスのキム・ミニ。『お嬢さん』での、芝居の為ならヌードも辞さないという腹のくくりが好感度高く、ハード過ぎるラブ・シーンがインパクト大でした。本作では、しっかり者に見えて、実は天然な空気も出しつつ、儚げで色っぽい……という、まさに男心をくすぐるポイントを全制覇したようなヒロインをキュートに演じています。
果たして、2部構成のどちらが「正しい日」で、どちらが「間違えた日」だったのか?
それを考えながら観るのも楽しくなる1本!!
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