【白蛇伝】宮崎駿がアニメの世界を志すきっかけともなった日本アニメ映画の原点が蘇る

2019/09/12
放送作家 石原ヒサトシ

1958年に公開された日本初のオールカラー長編劇場用アニメーション映画『白蛇伝』。

その後の日本アニメ業界に大きな影響を与えたと言われる伝説的な作品だが、このたび「白蛇伝 Blu-ray BOX」として発売される。(発売2019年10月9日)。

復刻台本(※縮小サイズ)、復刻絵コンテ(※縮小サイズ)といった当時の貴重なアイテムも特典として付属される。

「白蛇伝」とは

中国の四大民間説話のひとつが「白蛇伝」。これをアニメ化した作品で、東映が未来のアニメ界に向け、制作費4,000万円、2年の歳月をかけて制作した日本初のオールカラー長編劇場用アニメーション。当時はアニメのクリエーターが殆どいなかった時代、新人のアニメーター40人を起用して完成させた。

芸術祭団体奨励賞、ブルーリボン特別賞、毎日映画コンクール特別賞などを受賞し当時から高い評価を受けた、文部省選定映画でもある。

声優は、俳優の大スター森繁久彌と宮城まり子が担当。また「ライブアクション」と言われる、人物の動きをトレースしてアニメを制作する技法を用いたため、その動きの担当として松島トモ子、佐久間良子といった女優も参加したそうだ。

宮崎駿がアニメーターを志すきっかけ

この「白蛇伝」は当時の子どもたちの心を震撼させた。世界のアニメーター宮崎駿も高校生の時に観て衝撃を受け、アニメの世界を志すきっかけになったという。

おそらく、ひと世代前のアニメーターやメディアクリエイターは、一度はこの「白蛇伝」を観ているはず、そう言って過言ではないほど。

私は小学生の頃、公民館のような場所で近所の子供が集まって「白蛇伝」のフィルムを観た。

アニメといえばマジンガーZなどのテレビヒーローもので慣れていた当時、みんな昔話につまらなそうにしていた。私も最初はいつヒーローが出てきて悪者をやっつけるのか待っていたが、そういうアニメじゃないんだなという雰囲気が徐々に伝わってきて、いつしか“物語”に入っていった。

また、いつも観ているTVアニメよりも動きが細かくて、絵ではなくだんだん実写で動いているように見えてきて「なんか、これ凄い」と思ったのを今でも覚えている。印象は“その程度か?”と思われそうだが、幼い頃に観たはずなのにコレを憶えているほど実は衝撃的な作品だったといえるのかもしれない。

備考だが、今回の「白蛇伝 Blu-ray BOX」はデジタルリマスターに際し、オリジナルネガを元素材として復元を行った「35mmネガスキャンテレシネ4Kマスター」を採用。現存するセル画等を参照しながら、公開当時の色彩を可能な限り再現したとのこと。

アニメファンなら日本アニメの原点に触れてみてはどうだろうか。

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放送作家 「クイズ雑学王」、「ボキャブラ天国」等 バラエティを中心にイロイロやってきました。なんか面白いことないかなぁ~と思いながら日々過ごしています。野球、阪神、競馬、ももクロ、チヌ釣り、家電、クイズ・雑学、料理、酒、神社・仏閣、オカルトなことがスキです。

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