NHKの朝ドラ「なつぞら」が佳境に入ってまいりました。
1961年より続く「朝ドラ」の記念すべき100作目となる「なつぞら」のヒロインの座をお勤め頂いているのが、ご存じの通り、広瀬すずさまでございます。
先日の放送で、母親役の広瀬すずさまが夜、布団の中で娘に絵本を読みきかすシーンがございました(8月28日放送分)。
テレビや映画で絵本が登場すると、その絵本が話題になります。アマゾンで売り上げランキングが急上昇したり、重版がかかったりもいたします。
少し前にも、山崎賢人さま主演のドラマ「グッド・ドクター」の中で絵本「100万回生きたねこ」が登場、ネット上で話題になっておりました。
ところが、今回の「なつぞら」の絵本はほぼ話題になっておりません。
その理由は、放送しているのがNHKさまだからでございます。宣伝になってしまうため、実在の絵本をそのまま出せないのでございます。架空のラベルが貼られたビールが登場することがありますが、アレでございます。
ドラマで登場していた表紙を見ていても、あれは、あの絵本だなとピンと来た方は、いらっしゃらないはずでございます。それは当然のことなのでございます。
ところが、広瀬すずさまが劇中で読んでいたセリフ(絵本の文章)を聞いていて、「おや?」と思われた方もいるのでは。
ちなみに、そのセリフ(文章)というのは、「もどってきて、みんな一緒に、…コケコッコー いっけんらくちゃく」でございます。
NHKさまの確認はとっておりませんが、「あの絵本がモデルでは…」という絵本が実在するのでございます。
台詞は、まったく一緒ではございませんが、激似でございます。とにかく激似でございます。是非、手に取って読み比べて頂きたいのでございます。
小生も、この絵本を読んでおり、「面白い絵本だなぁ」と記憶していたので、ピンときたのでございます。その絵本が、こちら。
「いちばんどり いちぬけた」(作:日隈みさき 出版社:あかね書房)
こちら、今年出たばかりの絵本でございます。毎朝みんなに朝をお知らせるイチばんどりが、鳴くのをやめて旅にでるお話でございます。その道中にいろんなものが登場するのですが、この絵本の面白いところは、その道中でずっと「イチ」がつく言葉がどの場面でも使われているところでございます。
各ページに「いちば」や「いちりんしゃ」や「いちばんぼし」などのイチのつく言葉が必ず登場いたします。絵もポップで愛らしいのでござます。
手に取って後悔する絵本ではございません。大人も楽しめる言葉遊びの絵本でございます。
朝ドラファンのお方、広瀬すずファンのお方、絵本好きのお方、是非、読んでみてくださいませ。録画されている方は、是非とも見比べて、読み比べて頂きたいのでございます。
(文:絵本トレンドライター N田N昌)