英語でのことわざ・格言を覚える際には、似ている日本のことわざにあてはめた「意訳」で覚えますよね。でもこれら意訳の中にはぶっ飛んでいたり、そのまま直訳した方が素敵だなと思う表現って結構ありませんか?
そこで、直訳が素敵な格言、「直訳がカッコイイ英語のことわざ」を紹介します。
「花より団子」を英語のことわざで言うと…
⇒「Bread is better than the songs of birds.」(鳥のさえずりよりパンの方が良い)
風流なことよりも実益を重んじる「花より団子」。日本では「美しい桜を見るよりも、お腹の足しになる団子が良い」という言い回しですが、英語のことわざでは、鳥のさえずりとパンで表現しています。このパンは、命を支える大事なものの象徴ですが、オシャレに響く気がしますね。
「備えあれば憂いなし」を英語で言うと…
⇒「Hope for the best and prepare for the worst.」(最善を望み、最悪に備えよ)
ビジネスの場面でやたらと登場しそうなことわざ。一気に緊迫した雰囲気になりそうですが… これぞ英語っぽい格言です。
「捨てる神あれば拾う神あり」
⇒「When one door shuts another opens」(一つのドアが閉まると、もう一つのドアが開く)
希望が湧いてくる表現でしょうか。これはあえて直訳のまま覚えてみたいですね。
「敵を知るならその懐に飛び込め」
⇒「Keep your friends close and your enemies closer」(友は近くにおけ、だが敵はもっと近くにおけ)
ことわざとはちょっと違いますが、映画「ゴッドファーザー2」でマイケル・コルレオーネのセリフとしても有名。Keep your friends close, but your enemies closer。もとは孫氏の兵法の一節ですが、庶民が実生活でサラッと使うには難易度が高そうです。
「嘘も方便」
⇒「The end justifies the means.」(結果は手段を正当化する)
世の中のためになることだったら、その目的のための手段は間違っていてもかまわない… 日本版の「嘘も方便」は軽いノリだったのに、英語バージョンとなると、悪役がヒーローをいたぶりながら発しそうなセリフですね。
「後の祭り」
⇒「After death the doctor」(死んだ後に来る医者)
手遅れ感がすごいですね。これぞ英語圏ジョークといいますか、皮肉のパンチがしみます。全然笑えませんが…
「船頭多くして船山に登る」
⇒「Too many cooks spoil the broth」(料理人が多すぎると、スープの味がだめになる)
日本では船上の光景を描いていますが、こちらの舞台は厨房。そういえば、世界では料理にからめたことわざが多いですよね。似た意味ではポーランドのことわざに、「コックが6人いれば料理はできない」(Gdzie kucharek szesc, tam nie ma co jesc.)があります。どこの国でも、厨房はいざこざが絶えないんですね。
英語のことわざ・格言を紹介してきましたが、日本の慣用句、格言と比較すると、その国の文化が見えてきておもしろいですよね。ただ、いくらカッコイイからといってこれらを英語のまま使うと鼻につきそうで危険。まずはいくつか覚えて、さりげないタイミングで使うのがいいかもしれません。