お祝いに何を贈ろうか悩まれている方もいるのではないでしょうか。そこで提案がございます。英語、そしてアートセンスも磨けるABC絵本のプレゼントはいかがでしょうか!
それも、ただのABC絵本ではありません!
数多くのABC絵本の中から、大人も楽しめるクロリティ最高峰のアートなABC絵本を厳選!ご紹介したいと思います。教育熱心な家庭、セレブな家庭のお子さんにプレゼントして、笑われることのない上質なABC絵本でございます。
まずは、こちら。
デザイン界の巨匠ブルーノ・ムナーリ様の「Bruno Munari's ABC」。
ムナーリといえば、ミラノ生まれで、美術・デザイン・絵本など、さまざまな分野で独創的な作品を残したアーティストとして有名でございます。みなさまも、一度は名前を聞いたことがあるのでは…。
とにかく、デザインのクオリティは間違いありません。大人が飾っておけるレベルでございます。Aなら「an ant on apple」、Bなら「a Blue Butterfly」など、ひとつのアルファベットで複数のものを表現する詩的なユーモアセンスもさすがでございます。
絵本中、一匹のハエがところどころでプーンと登場するユニークな発想も遊び心をくすぐります。
実は、ムナーリ様の時代はちょうどテレビが普及しはじめた時期で、子供は動くものを目で追うことを日常的に行うようになっており、絵本の中でも視線を誘うようなデザインをすることがふさわしいと考えていたそうです。視線を誘導するという意味では、「かいじゅうたちのいるところ」で有名なモーリス・センダック様の作品にも視線の誘導のために虫や八チが登場するものがあります。センダックファンの方はチェックしてみてはいかがでしょうか。
余談ですが…
ムナーリの絵本作りのきっかけは、第二次世界大戦直後の混乱期、当時5歳だった息子のアルベルト君のための面白い絵本がみつからなかったから。「なら、自分で作っちゃおう!」ということで作ったのがきっかけだったそうです。さすが巨匠でございます。
そして、もう一冊がこちら。
安野光雅様の「ABCの本―へそまがりのアルファベット」。
安野様といえば、日本を代表する画家・絵本作家で、特に絵本は世界中で出版されているほど。名前は覚えていなくても、絵を見れば「どこかで見たことある」という方も多いのでは。
そんな安野様のABC絵本、こちらは日本とイギリスで同時発売され、そのクオリティは世界をうならせたとか。ちなみに、安野様は国際アンデルセン賞をはじめ、海外の名立たる賞を数々受賞されております。
そんな「ABCの本―へそまがりのアルファベット」、どんな内容かというと…、基本左のページに大きくアルファベットが描かれていて、右のページにそのアルファベットで始まる単語の画が描かれています。例えばBだと自転車、Eだと卵の画が描かれています。
その絵も素晴らしいのですが、左のアルファベットの文字。こちら、木片で作ったアルファベットのスケッチになっているんですが、スケッチと言われなければ写真にしか見えません。さらによく見ると、木片はエッシャーの絵のようにねじれていて、物理的にありえない形になっております。
1文字を見るのに、絵画展に行って1枚の絵を見るのと同じくらい時間がかかります。それくらいのクオリティでございます。
さらに、頁全体を囲っている唐草模様の飾り枠、こちらをよく見るとアルファベットを使った隠し絵に…。見れば見るほど味が出る絵本でございます。1頁を何時間でも眺めていられるクオリティ&不思議な作品になっております。
もう一冊だけ。
こちらは、さきほどお話の中にも出てきたモーリス・センダック様のABC絵本「アメリカワニです、こんにちは」でございます。(有名な絵本作家さまは、だいたいABC絵本を出されております)
こちらは豆本サイズ。ワニの一家がAからZまでのアルファベットをひとつずつ、ゆかいなパフォーマンスで紹介している絵本でございます。「かいじゅうたちのいるところ」ファンの方には、おすすめでございます。