「U・F・O」/ピンク・レディー、「勝手にしやがれ」/沢田研二、「津軽海峡・冬景色」/石川さゆり…など、数々のヒット曲の作詞を手がけ2007年に亡くなった作詞家・阿久悠(享年70歳)。その数は約5,000曲と言われるが、実は歌謡曲のみならず、アニメ・特撮ヒーローといった子どもたちを対象にした曲も沢山手がけている。
そんな曲を厳選し50曲を収めた2枚組CD 「誰もが勇気を忘れちゃいけない ~大事なことはすべて阿久悠が教えてくれた~」が12月19日にリリースされる。(¥3,456―)
タイトルの「誰もが勇気を忘れちゃいけない」を見て、“聞き覚えがある”と思った人もいるはず。そう、これは「ウルトラマンレオ」主題歌の中にある歌詞だ。 阿久悠のヒーロー・ソングには、子どもの心に刻み込められるようなメッセージ性が高いものが多い。
実は、本人も1973年放送の「ウルトラマンタロウ」あたりから意識的に作っていたそうだ。このCDは、彼の意図を尊重し、子どもたちの未来へつなぐための一助となることを期待して企画・制作されたとのこと。
【DISC1】
1.マッハバロン / すぎうらよしひろ 『スーパーロボット マッハバロン』
2.ファイヤーマン / 子門真人 『ファイヤーマン』
3.レッドバロン / 朝コータロー 『スーパーロボット レッドバロン』
4.ウルトラマンタロウ / 武村太郎、少年少女合唱団みずうみ 『ウルトラマンタロウ』
5.パジャママンのうた / 石毛恭子、東京ちびっこ合唱団 『ママとあそぼう!ピンポンパン』
6.ワイルドセブン / ノンストップ 『ワイルド7』
7.デビルマンのうた / 十田敬三、ボーカル・ショップ 『デビルマン』
8.ウルトラマンレオ / 真夏竜、少年少女合唱団みずうみ 『ウルトラマンレオ』
9.青春まるかじり / 黒崎輝(協力:高木淳也・真田広之) 映画『伊賀野カバ丸』
10.ピンポンパン体操 / 杉並児童合唱団、お兄さん(金森勢) 『ママとあそぼう!ピンポンパン』
11.ヤンマだアゲハだマメゾウだ / ヤング・スターズ 『ミクロイドS』
12.MACのマーチ / 真夏竜、少年少女合唱団みずうみ 『ウルトラマンレオ』
13.HOSHIMARU音頭 / TPO、池田智子 科学万博-つくば'85
14.ツンツンソング / 嶋崎由理、コロムビアゆりかご会 『全国こども電話相談室』
15.愛の勇者たち / ささきいさお 『ザ★ウルトラマン』
16.プラトニック / 鹿取容子 映画『オーディーン 光子帆船スターライト』
17.哀しみのベラドンナ / 橘まゆみ 映画『哀しみのベラドンナ』
18.ジャンヌの涙 / 橘まゆみ 映画『哀しみのベラドンナ』
19.眠れマッハバロン / すぎうらよしひろ 『スーパーロボット マッハバロン』
20.私のオーディーン -オーディーンの乙女- / 鹿取容子 映画『オーディーン 光子帆船スターライト』
21.真赤なスカーフ / ささきいさお、ロイヤル・ナイツ 『宇宙戦艦ヤマト』
22.兄さんのロボット / コロムビアゆりかご会 『スーパーロボット レッドバロン』
23.つむじかぜ / ノンストップ 『ワイルド7』
24.星のサンバ / トゥインクルシスターズ 『星の王子さま プチ・プランス』
25.スターダスト ボーイズ / 影山ヒロノブ 『宇宙船サジタリウス』
【DISC2】
1.バースディの唄 / 堀江美都子、こおろぎ'73 ぱくぱくぽけっとレコード
2.じゃりん子チエ / ビジー・フォー 映画『じゃりン子チエ』
3.ドロンチョドロドロヨゴラッタ / パインストーンズ 『ママとあそぼう!ピンポンパン』
4.トッポ・ジージョのワン・ツーかぞえうた / 山崎唯 『トッポ・ジージョ・イン・ジャパン』
5.ヒマラヤ雪男くん / 小林亜星、コロムビアゆりかご会 ぱくぱくぽけっとレコード
6.毛虫のモモちゃん / 前川陽子 ぱくぱくぽけっとレコード
7.アメリカなまりのニワトリ / スチーブン・トート、こおろぎ'73 ぱくぱくぽけっとレコード
8.星の王子さま プチ・プランス / 鈴木賢三郎 『星の王子さま プチ・プランス』
9.結婚行進曲 / かおりくみこ、大倉正丈 ぱくぱくぽけっとレコード
10.DOMO DOMO コンチェルト / 星野知子、森の木児童合唱団 ドラマ『サザエさん』
11.びっくりマークの日々 / 星野知子、森の木児童合唱団 ドラマ『サザエさん』
12.秋田から来た先生 / 左とん平 ぱくぱくぽけっとレコード
13.ズッコケ純情 / 中野康 こども文学館『ズッコケ三人組』
14.フレンズ / ヤング・フレッシュ 『ピンク・レディー物語』
15.ウルトラ六兄弟 / 武村太郎、少年少女合唱団みずうみ 『ウルトラマンタロウ』
16.今日もどこかでデビルマン / 十田敬三 『デビルマン』
17.ザ・ウルトラマン / ささきいさお、コロムビアゆりかご会 『ザ★ウルトラマン』
18.飛べ!宇宙のレッドバロン / 団しん也 『スーパーロボット レッドバロン』
19.ミクロイドS / ヤング・スターズ 『ミクロイドS』
20.スーパーモンキー孫悟空 / ピンク・レディー 『飛べ!孫悟空』
21.戦え!ウルトラマンレオ / 秀夕樹、少年少女合唱団みずうみ 『ウルトラマンレオ』
22.夢光年 / 影山ヒロノブ 『宇宙船サジタリウス』
23.時の中を走りぬけて / 石原慎一 『ウルトラマンUSA』
24.宇宙戦艦ヤマト / ささきいさお、ロイヤル・ナイツ 『宇宙戦艦ヤマト』
25.追い出しの歌 / 左とん平 映画『ジャックと豆の木』
ストライクな年代は40~50歳代だろう。マニアックな曲もある、「この曲って阿久悠が書いたんだ」と驚くナンバーもあるはずだ。 特に有名な曲に1973年放送のアニメ「宇宙戦艦ヤマト」があるが、当時、エンディングの名曲「真っ赤なスカーフ」は、子どもが聴くにしては大人っぽくムーディーすぎた(学校でささきいさおさんのマネで歌ったら凄くウケた・笑)。
50曲の歌詞を童心に還って読んでみて、胸を突いた一節をいくつか抜粋してみた。
お前がやれぬことならば 俺がこの手でやってやる
そうさこの世のどぶさらい
悪にゃめっぽう強いやつ
/「ワイルドセブン」ワイルド7
心を砂漠にしてはいけない
かわいた心に夢はわかない
ぼくらが胸に飾る勲章は 愛と勇気と男のロマン
/「愛の勇者たち」ザ★ウルトラマン
マッハバロン 眠れ眠れ
お前の使命を終わらせてあげたい
たたかう機械でなくしてあげたい
/「眠れマッハバロン」マッハバロン
黒い地球 に なるときが
刻々せまってくるようだ
心をわすれた 科学には
地獄の夢しかうまれない
/「ミクロイドS」ミクロイドS
カラオケに行き懐かしいヒーローソングを、モニターに出る歌詞を見ながら歌うと、こんな奥深い意味があったのかと気付くことがある。
阿久悠さんの歌詞を見て改めてそう思う。小さい時にそのメッセージを受け取り理解していたなら、もっと素敵な大人になれたかもと今さらながら思う。大げさではなく。
古いレコードがまだ残っていた。