JVA 日本バレーボール協会公式HP スクリーンショット
全日本女子バレーボールの新監督に中田久美氏(51)が決定した。来年春から指揮を振ることになる。女性が監督を務めるのは1982年の生沼スミエ氏以来。4年後の東京五輪でのメダル獲得を託されたわけだが、個人的な本音を言うと「外国人じゃないんだ」とガッカリした。自分だけじゃない、ファンからのバレーボール協会への不満は随分昔から続いている。
私は決してバレーボールの技術に詳しいわけではない、バレー界に精通した人間でもない、これから言うことを不快に思う方がいたら先に謝罪する。
ただ、一人のバレーファンとして長年思っていること、そして願望を、自分なりに情報を集めた上で意見する。
人気はキープ…実力は?
3大大会優勝に手が届かない
最初に、意外に知られていない事実を確認しておきたい。1964年東京五輪で金メダル獲得。「東洋の魔女」と呼ばれ、以来、日本のお家芸として人気を博してきた。
しかし、その栄光も今は昔。お家芸の頭には“かつての”が付いてしまう。
1984年のロスアンゼルス五輪銅メダル以降低迷。2012年ロンドン五輪で久々の銅メダルを獲得し復活の兆しを見せるが、今年のリオは5位だった。
実は、バレー3大大会の優勝歴を見ると…
◯五輪 2回(1964年東京 1976年モントリオール)
◯世界選手権 3回(1962年 1967年 1974年)
◯ワールドカップ 1回(1977年)
意外に思うかもしれないが、なんと39年間優勝がないのである。長い間“世界に食らいついてこの順位”という印象が拭いきれない。
ずっとずっと優勝には何かが足りないまま、
ずっとずっと悔しい思いが続いている。
ずっとずっと善戦で埒が開かない状態が39年も続いているのだ。
中田久美の経験に+αが必要
中田久美氏は15歳で全日本に選ばれ、銅メダルを獲得したロス五輪では“18歳のベテラン”とまで言われた逸材だった。引退後は、2008年にイタリアプロリーグセリエA・ヴィチェンツァで日本人女子として初の海外バレーボールチームのコーチに。2009年には、セリエA・ノヴァーラのアシスタントコーチに就任している。当時のイタリア女子は2007年W杯で優勝するなど強い時代だった。
2012年からは日本のプレミアリーグ女子の久光製薬監督としてリーグを3度、全日本選手権を4度制している。イタリアでの指導者の経験が大いに活きているのであろう。
_と聞いて、「どうして強い時代のイタリアを知っている中田氏を早く監督にしなかったのか?」と思わないだろうか。
そのあたりを調べてみると、どうも女子の監督が女子選手を率いるのはなかなか難しいらしい。「女性は女性のことを理解できるから良いのでは?」という声もある。うまくはまれば良いのだが、裏目に出ると最悪らしい。
監督好みの選手に偏ったり(選手にそう思われる)、性格・態度の好み、価値観の違い、大袈裟かもしれないが服装のセンスや好きな男性のタイプなど、バレー以外の面でも不一致な部分が目に付くと嫌悪感を抱くなど、女性同士は一度関係がこじれると修復が難しく崩壊すら招きかねない…とのこと。
こんな理由が裏にあったかは想像の域だが、今回の中田久美監督就任は、久光製薬で女子チームをまとめている実績を買ったもの。長い間、男が務めた監督を名実備えた女性に一任するのだから、それだけでもバレー協会は大きな決断なのかも。
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