全日本男子バレーボールの新監督に中垣内(なかがいち)祐一氏(48)の就任が決まった。本格始動は来年春からになる。このニュースに「また?」と思ったファンは多いのではないだろうか?
“また?”というのは、「また日本人の監督か」という意味だ。
男女新監督発表の会見で、日本バレーボール協会の木村憲治会長は、ビーチバレーを含めてメダル4個を目標に掲げたが、正直本気で言っているのかと耳を疑った。特に男子の監督選考には疑問の声が多い。
リオ五輪出場を逃した後、次の監督決定まで4ヶ月以上を要した。男子は2大会連続で五輪出場を逃し、世界のバレーから完全に遅れを取っている。そんな中で監督候補に挙がったのは、中垣内氏、元代表主将・荻野正二氏、そして続投で南部正司氏だったようだ。外国人の名前は候補にも挙がらなかった。
木村会長は「外国の監督が全部ダメとは言わないが、2メートル近くの選手を集めて強いチームを作った監督が、体の小さな日本人を集めて強いチームを作る可能性は日本人より低い」と言った。
果たしてそうだろうか?
そこで調べてみた。私はバレーボールに関しては素人で一人のファンにすぎないが、単純に考えても疑問に思った。
Vプレミアリーグ外国人監督チームは?
豊田合成トレフェルサ
アンディッシュ・クリスティアンソン(スウェーデン)監督は2013年に就任。3シーズン目の2015/2016年で初優勝に導いている。それまで優勝争いも殆どしてこなかったチームを3年でVプレミアリーグ日本一に仕上げた。
JTサンダーズ
ヴェセリン・ヴコヴィッチ(セルビア)監督、2013年に就任。7年下位を彷徨っていたチームを立て直し、2年後の2014/2015にはVプレミアリーグ優勝を果たした。
サントリーサンバーズ
チームは2012年にパウロ・モンターニャ(イタリア)監督を迎えた。2014年には後任に現在のジルソン・ベルナルド(ブラジル)監督が就任、2014/2015シーズンはVプレミアリーグ準優勝に。
現在行われている男子Vプレミアリーグには、上記3チームに外国人監督がいるが、わずか数年で好成績を挙げているではないか?3人のチーム作りや指導方法は三者三様だが、確実にチームを改革している。
もちろん、全日本の監督は世界を相手にするわけだが、“2メートル近くの選手を集めて強いチームを作った監督”でも、外国人選手を含むとは言え見事に小さな日本人選手ばかりのチームを掌握し強くしたではないか。木村会長のコメントに反論もしたくなる。
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