TV放送作家が「NHK朝ドラ」を分析!注目すべきは、2番目の伸びシロ?!

2016/06/23
放送作家 石原ヒサトシ

instagramより @nhk_totonechan

 

NHK朝の連続ドラマ小説『とと姉ちゃん』の視聴率が連日20%超え。朝ドラは、そのクオリティはもちろん、お年寄りや主婦にとって“毎朝15分のルーティン”となっているから強いです。

 

現在放送されている『とと姉ちゃん』のヒロインは、高畑充希(24)さん。連ドラでは『問題のあるレストラン』『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(どちらもフジテレビ)で脇役を務めた後で、朝ドラでは『ごちそうさん』に出演経験がありました。キャリア十分の実力派女優と言っていいと思います。

 

ただ気になるのは高畑さんの朝ドラ以降です。

昭和の時代は【朝ドラヒロインを務めれば大女優の道が確約された】などと言われるほどでしたが、どうも近年は傾向が変わってきたようなんです。

 

国民的番組のイメージ

 

朝ドラを10作程遡ってヒロインを見てみると…

2011年4月~

『お日さま』 井上真央

『カーネーション』 尾野真千子

『梅ちゃん先生』 堀北真希

『純と愛』 夏菜

『あまちゃん』 能年玲奈

『ごちそうさん』 杏

『花子とアン』 吉高由里子

『マッサン』 シャーロット・ケイト・フォックス

『まれ』 土屋太鳳

『あさが来た』 波留

 

既にトレンディドラマなど主役級で活躍していた(井上真央、堀北真希)、

脇役クラスから朝ドラで実質初主演(夏菜、土屋太鳳、波留)

朝ドラ主役大抜擢(尾野真千子、能年玲奈)、

こんな風に分けることも出来るでしょうか。

朝ドラヒロインは話題になりますし一目置かれる存在になります。ヒロインを演じると全ての過去がリセットされ一気に“大御所”的な肩書がつきます。

 

また朝ドラといえば、設定が明治・大正・昭和初期くらいの時代背景が多く、舞台が地方なら方言など、役に強いイメージが付きます。そこらのおばちゃんは役者の名前じゃなく役名で女優を覚えてしまうから影響力の強さが伺えます。

 

そうなると、どうなる?

http://www9.nhk.or.jp/asadora/

 

朝ドラが終了すると、今度は強いイメージが邪魔をして民放のトレンディドラマでは起用しにくくなるといった流れが出てきます。

 

例を挙げるなら、2013年大ヒットした『あまちゃん』の能年玲奈さん。単発ドラマ(2014年「世にも奇妙な物語・春の特別編」)、映画「ホットロード」は話題になりましたけど、朝ドラ以降、連ドラ出演がありません。

あまりにもヒロイン“天野アキ”のイメージが強く、あのキャラを超えるのは厳しいと思われたのでしょう。あれから2年以上経ったので今後出てくることを期待したいです。

 

変わった形では、『まれ』の土屋太鳳(21)さん。朝ドラ後「下町ロケット」(TBS)主人公の娘役で好演していました。『まれ』は時代設定が現代でしたし、あまり偏ったイメージは付かなかったと思います。現在「お迎えデス。」(NTV)で頑張っていますね。

 

『あさが来た』の波留(24)さんは、“朝ドラ終了 → 即トレンディドラマヒロイン”というパターンで「世界一難しい恋」(NTV)で起用されドラマも好調です。でも大野智さんとダブル主演という異質な起用方法です。

 

どなたも朝ドラの好印象は残るのでCM契約が増えるケースが多く、露出は高まります。また映画での起用が増える傾向もあります。

 

一方で現在テレビドラマでガンガン活躍されているか?というと疑問(結婚や年齢的な事など、事情は様々でしょうが)。朝ドラが旬だった感は否めません。

 

例えば、杏さんが主演した「花咲舞が黙ってない」(NTV)のように、朝ドラのイメージを払拭しカラーを変えてしまう程のヒット作に巡り逢えば違うと思います。

朝ドラヒロインという肩書は女優として泊が付いたかもしれませんが、その後は主役じゃなければ起用しにくいという雰囲気があるようです。

 

難しいですね。

 

注目すべきは助演!

instagramより @nhk_totonechan

 

それでも朝ドラに、民放ドラマ班の目が向かないわけがありません。

見るのは【次にきそうな助演俳優】です。今や朝ドラは新女優の登竜門になっています。

 

朝ドラは全ての俳優の知名度が格段に上がりますから、次のトレンディドラマにどんな役者を起用すれば当たりそうか目をギラギラさせて探しているはず。特にヒロインの影で好演する女優が狙い、2番目に「伸びシロ」がありそうと見るわけです。

 

朝ドラヒロインではないのに注目され、超売れっ子になったのは、『あまちゃん』でアキの母親少女期を演じた有村架純(23)さんでしょう。去年のCM契約数は12社。主演映画「ビリギャル」では日本アカデミー賞で優秀主演女優賞、新人俳優賞受賞。ドラマ「永遠のぼくら sea side Blue」(NTV)「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」(フジテレビ)では主演を務めるほどの活躍。

同じく『あまちゃん』からは、現在「真田丸」に出演する個性派の松岡茉優(21)さん等も輩出しています。

 

そして近年、『マッサン』で早見あかり(21)さん。

『まれ』から清水富美加(21)さん、門脇麦(23)さん。

前作『あさが来た』からは、小芝風花(19)さん、吉岡里帆(23)さんなどが既にドラマや映画で活躍し注目度が増しています。

 

現在放送中の『とと姉ちゃん』では、おとなしい役柄ながら存在感を放つ相楽樹(さがら いつき=21)さん。

そしてAKB48を卒業し一転、地味で慎ましやかな女性を演じる川栄李奈(かわえい りな=21)さん。

きっとこの2人は、秋以降の連続ドラマで良い役どころに起用されそうな雰囲気をプンプン匂わせています。改めてチェックしてみてください。

 

『べっぴんさん』ブレイク予測

instagramより @yoshinekyoko

 

そして先日、10月スタートの朝ドラ次回作『べっぴんさん』のキャストが発表になりました。

ヒロインは芳根京子(よしね きょうこ=19)さん。

朝ドラには『花子とアン』に出演していたご縁あって晴れのヒロイン抜擢です。これまでドラマや舞台の出演経験多数。2014年映画「物置のピアノ」で初主演を務めています。

 

そして、助演に早くも注目してみましょう。

実は今のところ、ヒロインの同級生役が1人しか発表されていません。その人は、ももいろクローバーZの百田夏菜子(ももた かなこ=22)さん。

 

Twitterより @momorikobuta517

 

連ドラ出演は初めてですが、映画「幕が上がる」や同名の舞台(実は芳根京子さんも出演)で演技力を付けた注目株。アイドル界のトップが女優界でもその芸能力を発揮できるか? 朝ドラ終了後、来年春以降にドラマオファーが殺到なんてことも!?熱視線が注がれることは間違いないでしょう。

 

 

人気の朝ドラも、次にブレイクする俳優がこの中にいるかも!?

演技力やオーラを、目を凝らしながら視るのも面白いかもしれません。

 

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放送作家 石原ヒサトシ
この記事を書いた人

放送作家 石原ヒサトシ

放送作家 「クイズ雑学王」、「ボキャブラ天国」等 バラエティを中心にイロイロやってきました。なんか面白いことないかなぁ~と思いながら日々過ごしています。野球、阪神、競馬、ももクロ、チヌ釣り、家電、クイズ・雑学、料理、酒、神社・仏閣、オカルトなことがスキです。

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